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アキバタマビ21 第73回展覧会「Radical Observers」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 12月 01日

フライヤー

【CONCEPT】
現代におけるグローバル化や科学技術の進歩において、私たちは、場所や時間を超えて物事にアクセスできるようになっています。この状況において、物事の現状や変化に対して、当事者としてではなく、傍観者、観測者として接する機会が増えています。対象に対して距離をもちながら、多様な情報を参照しつつ、解釈することで、「観測者」には新しい価値観や存在をイメージすることが可能になってきています。既存のフレームを疑い、読み替え、絶えず更新してゆく、この「観測者」としての姿勢は現代において重要ではないでしょうか。本展覧会では、状況に向き合い、様々な読み替えや、実験(思考実験)を行う菅実花、平澤勇輝、盛田渓太、Bitna JANG、Long JIN、Vincent RUIJTERSの6名の作家を紹介します。彼らが見せる多様な表現、作品群の中に身を置くことで、本展が現代を軽やかにサヴァイヴする観測者の姿勢を提示できるきっかけとなればと思います。また、本展覧会は、日本、オランダ、韓国、中国の出身のアーティストたちを紹介します。同時に、多摩美術大学出身のアーティスト、および他大学出身者を含むネットワークを形成しこの思考実験のマッピングをさらに拡張していくことを目指しています。


【ARTISTS】
○ジャン・ビンナ BITNA JANG
1989 年 韓国生まれ。2017 年 多摩美術大学大学院博士前期課程工芸専攻修了。現在、同大学院美術研究科博士後期課在籍。陶を用いて、生命の存在とそれらの関係性をテーマに作品を制作。有機的なフォルムにおいて物事の輪郭の流動性と存在の不確かさを表現するとともに、一つの形態に帰着せず、テンポラリーなものとしての生命のあり方を肯定的に提示する。主な展覧会に「TAMA VIVANT II 2017 ポガティブ」 展 (Tokyo /2017) などがある。

○ジン・ロン LONG JIN 
1991 年 中国、温州生まれ。2013 年江南大学公共芸術デザイン専攻卒業。2017年多摩美術大学大学院修士課程彫刻専攻修了。 現在多摩美術大学大学院美術研究科博士課程在籍。主な展覧会に第 20 回 JAALA国際交流展 ( 東京都美術館 /2017)、留学生フェアプログラム( The Artcomplex Center of Tokyo/2017)、Challenge Art inJapan2017 #TAMABI_HAKASE 展(韓国文化院 /2017)がある。また、 2016 年 第52回 神奈川県美術展入選。

○盛田渓太 KEITA MORITA
1992 年 東京都生まれ。2017 年多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。学部時代より、主に立体やインスタレーションにおいて、擬似的に地層や化石を作り出す作品を制作、発表。近年は合成などに利用されるグリーンバックに着想を得たインスタレーションを制作し、木や石、骨などの自然物をその内部に取り入れることで、リアルとヴァーチャルの曖昧さを提示することで、自然観について問い直し、既存の価値観(価値判断)を揺らがせてゆく。主な展覧会に『Odyssey』 Gallery SHIMIZU( 横浜 /2017)、『1/206』Gallery K( 東京 /2016) がある。

○菅実花 MIKA KAN
1988 年 神奈川県生まれ。2013年東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。2016年同大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。現在同大学院博士後期課程在籍。2014 年に等身大の女性型愛玩人形が妊娠するという架空の設定に基づくアートプロジェクト「Do Lovedolls Dream of Babies?」を開始、2016 年に写真作品《The Future Mother》を発表。主な展覧会に個展「The Future Mother」(慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎 /2016)、個展「The Silent Woman」( 文京区立森鷗外記念館 /2018)。アートフェスティバル「黄金町バザール 2017 ‒ Double Façade 他者と出会うための複数の方法」(2017 年)がある。

○ヴィンセント・ライタス VINCENT RUIJTERS
1988 年 オランダ、デン・ハーク生まれ。東京在住。ユトレヒト美術大学大学院ディジタル文化デザイン専攻修士課程修了。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。現在、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程在籍。主に人間の感情と、人間関係とに焦点を当て、人間性とは何かという問題を考察するため、現代のシステムの持つ過剰な刺激やスピード、冷たさに着目し、フィジカルコンピューティングから、水彩画に至る様々な技法において制作を行う。2018 年にはアートフェア東京 2018 World Art Tokyo: Pan-gea Tectonics、エキジビション・デザイナーとして活動。代表作に「Wind Memoir」(2017) などがある。

○平澤勇輝 YUKI HIRASAWA
1989 年 東京都生まれ。2012年多摩美術大学彫刻学科卒業。2014年同大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。木彫で動物や植物をデフォルメしたような作品を制作する。平澤は、使用する木材の性質や癖を生かし、様々な木を寄せて彫刻を構成する。異なるパーツにおいて構築すること、そして、その中でいびつながらも互いの調和を図りつつ、動物や植物という元の素材とは異なる有機的イメージの元に落とし込んで行くのである。主な展覧会に「臺灣國際木雕競賽」三義木彫博物館(台湾 / 台北 /2016)、「平澤勇輝 展-HORNS ー」Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi( 東京 / 六本木 /2018)、越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭 ( 新潟 / 十日町 /2018)がある。また「第 95 回二科展」国立新美術館(東京 / 六本木)入選。



【展覧会詳細】
「Radical Observers」
会期:2018年12月8日(土)~2019年1月14日(月・祝)
開館時間:12:00~19:00(金・土は20:00 まで)
※2018年12月28日(金)19:00閉場、2019年1月4日(金)13:00開場
休場日:毎週火曜日、2018年12月29日(土)~2019年1月3日(木)



【イベント】
●オープニングレセプション 
12月8日(土)17:00~20:00
●アーティストトーク
12月23日(日)14:00~16:00 ゲスト:岩﨑秀雄(早稲田大学理工学術院・教授)
1月12日(土)14:00~16:00



【展覧会場】
アキバタマビ21
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 201・202
電話:03-5812-4558
URL: http://www.akibatamabi21.com

アクセス:
東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分
東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分
都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分
JR御徒町駅南口より徒歩7分
JR秋葉原駅電気街口より徒歩8分

「アキバタマビ21」は多摩美術大学が運営する、若い芸術家たちのための作品発表の場である。ここは若い芸術家たちが、互いに切磋琢磨しながら協働し共生することを体験する場であり、他者と触れ合うことで自我の殻から脱皮し、既存のシステムや権威に依存することなく自らをプロデュースし自立していくための、鍛錬の場でもある――そうありたいという希望を託して若い芸術家たちにゆだねる、あり得るかもしれない「可能性」の場であり、その可能性を目撃していただく場所である。

http://www.akibatamabi21.com

全文提供:アキバタマビ21


会期:2018年12月8日(土) 〜 2019年1月14日(月)
時間:12:00~19:00(金・土は20:00 まで)※2018年12月28日(金)19:00閉場、2019年1月4日(金)13:00開場
休日:毎週火曜日、2018年12月29日(土)~2019年1月3日(木)
会場:アキバタマビ21

最終更新 2018年 12月 08日
 

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