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リー・キット 「僕らはもっと繊細だった。」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 8月 02日

© Lee Kit, courtesy the artist and ShugoArts

2013年ヴェネチアビエンナーレで脚光を浴び、アジアのアートシーンを牽引する注目の作家リー・キット(李傑/Lee Kit)が、日本の美術館では初の個展を開催します。

現在は台北を活動拠点にするリー・キットは、中国への返還(1997年)を経て変貌していく故郷・香港でアーティスト活動をスタートしました。

近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れています。

独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリーは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が生きる今の世界と向かい合おうとしています。

展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのも大きな特徴です。

原美術館の建物はもともと原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後、美術館に生まれ変わって40年の時を経ようとしています。

この場からリーが何を感じ、どのような新しい“絵画”を描くのか、本展は彼の魅力が遺憾なく発揮される機会となることでしょう。


リー・キット(李傑/Lee Kit)略歴

1978年香港生まれ。2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作を行い、美術館、ギャラリー、アートスペース等での発表を続けている。
2013年、ヴェネチアビエンナーレの香港代表。2016年にはウォーカー アート センター(アメリカ、ミネアポリス)とS.M.A.K.(ベルギー、ゲント)において個展を同時開催。
2017年にはパレ ド トーキョー(フランス、パリ)の「Sous le regard de machines pleines d’amour et de grâce」展に参加。
日本では、2014年よりシュウゴアーツにて3度の個展の他、2015年に資生堂ギャラリーにて「The Voice Behind Me」展を開催。
広島市現代美術館のグループ展「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作/ふぞろいなハーモニー」(2015年)に参加。

<関連イベント>
Meet the Artist: リー・キット
9月16日(日)2:00-3:30pm
場所:原美術館 ザ・ホール
料金:無料(要入館料・予約制)

入館料: 一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は一人100円引

http://www.haramuseum.or.jp/

全文提供:原美術館


会期:2018年9月16日(日) 〜 2018年12月24日(月)
時間:11:00-17:00(祝日を除く水曜は20:00まで/入館は開館時刻の30分前まで)
休日:月曜(祝日にあたる9月17日・24日、10月8日、12月24日は開館)、9月18日・25日、 10月9日
会場:原美術館

最終更新 2018年 9月 16日
 

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