展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2009年 10月 15日 |
文化庁新進芸術家海外留学制度による一年間のローマ滞在中に制作した作品を中心とした、帰国後初の個展となります。
今野はこれまでの制作において、普段私たちの意識からは消えているもの、あるいは無意識のうちに目を背けてしまっているような対象を、非常に近いアングルから観察し自由な大きさで表現してきました。新作はその基本的な流れに沿いながらも、従来よりも一歩引いた視座から対象を切り取っています。
今野自身の一貫したコンセプトである「境界」と「その先」を探る表現の試みは、モチーフや表現方法を変えながら継続されてきました。自分、人を規定する境界とは何か、そしてその先には何があるのか。そのような問いかけを、肉体の一部や身の回りにあるごくありふれたものを通してユニークな切り口で表現しています。
本展覧会の"HIDE-SEEK"-「見え隠れ」に描かれる耳やわきの下、目などのモチーフは、必ず何らかの形で覆われており、全てが鑑賞者の前に現れることはありません。それらは他者とかかわりあう際に立ち現れる様々な境界を象徴しています。
異国の地で暮らすことで、さらに強く意識することになった体の持つ他者性を通して、人と人との関係の境界に焦点を当てています。
今 野 尚 行 Shoko Imano 1971 東京都生まれ 2000 多摩美術大学大学院美術研究科修了 2008-09 文化庁新進芸術家海外留学制度によりローマに留学
個展: 2000 「ProjectN03今野尚行展」東京オペラシティアートギャラリー,初台,東京 2001 「Spinning!02今野尚行展」セゾン現代美術館セゾンアートプログラムギャラリー,東京 2006 「今野尚行art is life」ヒロ画廊,銀座,東京 2008 「今野尚行border」ヒロ画廊,銀座,東京・Bridge Art Fair 08, ニューヨーク
※全文提供: ヒロ画廊
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最終更新 2009年 10月 13日 |