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島田忠幸:Jerusalem
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 10月 12日

画像提供:ギャラリ-KINGYO copyright(c) Tadayuki SHIMADA

「制作活動への考え方」
アートの為のアートの時代は終わった。視感言語として、人の心を動かす力をアートは元々持っている、その力こそ新たな時代の価値になる。見る者として強烈な刺激を受けることが作り手としての出発点、見ると作るは、表裏一体なのだ。

さて犬の鎧のように見えるが、私は決して鎧を作っているわけでは無い。アルミニウムの板を鍛金技法で成形し、あえて閉じないことでその内部が良く見える虚の空間として、また表面は叩くことで鍛えられ無数の波紋はより存在感として見えてくる、この二つを融合させたことが今の私の仕事です。それは、そこにあるであろう生命の影を覆う装置として、見る側がその虚の空間を自分の思いで埋めていく。つまり見えないものを存在として感じる彫刻を作っているのです。

「今回の制作意図」
この作品のテーマは「争い」と「平和」への祈りです。
征服者は正義面でやってくる、利害の対立する者が争った結果なのに。
戦争も同じことが言える。
社会の正義と勇ましさと背中合せの悲惨な現実と破壊。

アーチスト、オノ・ヨーコは「Imagine all the people living life in peace」(人々が平和に暮らすことをイメージしよう)イメージするだけで平和になると言う。さてさて、いつになったら争いの無い時代が来るのか。

(島田忠幸)

砂の時代から、彫刻の問題に取り組んで来た,島田さんが、この10数年積極的に思考や認識を促すアートの表現、視覚言語としてのアートの表現に取り組んでいます。今回のエルサレムと言うタイトルを見た時、私は少々戸惑いました。その戸惑いについて考察するうち、自分がいかに、アートに個人的な快楽を求めていたか、思い知りました。自我を喪失する開放感、現実からの逃避。この展覧会ではしっかり自分と対峙する事を突きつけられる事になりそうです。(ギャラリ-KINGYO 扇谷京子)

全文提供: ギャラリ-KINGYO

最終更新 2009年 11月 24日
 

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