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蜷川実花:フラワー・アディクト
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 10月 04日

画像提供:小山登美夫ギャラリー copyright(c) Mika NINAGAWA

蜷川実花の作品には、色とイメージの切り取り方に特徴があります。一見華やかなその色彩に目を奪われますが、その色がもつ影、影に含まれる闇の濃さに気づいた時、そこに人はなにを見るのでしょうか。蜷川は昨年11月から、その若さでは異例の国内美術館での巡回個展「蜷川実花展 地上の花、天上の色」を行なっています。東京オペラシティアートギャラリー、岩手県立美術館、鹿児島県霧島アートの森に続き、10月10日には西宮市大谷記念美術館に巡回します。初期作品から現在も進行中の最新作まで、蜷川の作品世界を網羅した充実した内容と、開催する館ごとにかわるインスタレーションにより、それぞれの美術館の入場者数を大きく塗り替えています。

最新作品集『FLOWER ADDICT』(美術出版社、税込6,090円)に所収された作品から大判作品約12点と、フレーム入りのプリント約8点を展示予定です。これは色水を吸わされた白菊の鮮やかな色やその姿を撮影したシリーズです。そこには思うがままに世界を作り変えようとする人間の強い欲望を感じますが、同時にそれを超越する、目を奪うような美しさや艶やかさも立ち表れています。このシリーズは9月23日まで熊本市現代美術館にて開催されたグループ展「花・風景ーモネと現代日本のアーティストたち」にも出品されていました。本会場では、作品集『FLOWER ADDICT』のスペシャルエディション(税抜販売価格48,000円、40冊限定)も販売いたします。これは所収されている40作品のサイン付きオリジナルプリントが、作品集にそれぞれ1点ずつ添付されているものです。10月24日(土)にはアーティストによるサイン会を行います(要事前受付、先着100名様限定。小山登美夫ギャラリーウェブサイト特設ページからお申込)。 関西方面ではこの会期中、西宮市大谷記念美術館での巡回個展「蜷川実花展 地上の花、天上の色」( http://www9.ocn.ne.jp/~otanimus/ )、京都極楽堂書店での「蜷川実花写真館」( http://kyobase.com/ )でも蜷川実花の作品をご覧いただけます。この機会に是非ご高覧ください。

【作家プロフィール】
蜷川実花は東京都生まれ。1997年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業。現在は東京を拠点に制作活動を行っています。 第9回写真ひとつぼ展グランプリ(96年)、第13回キヤノン写真新世紀優秀賞(96年)、第9回コニカ写真奨励賞(98年)、第26回木村伊兵衛写真賞(01年)、第13回VOVA展大原美術館賞(06年)など数々の賞を受賞。雑誌・広告業界でのキャリアをはじめ、ヴァリエーション豊かな作品集を刊行、また映画『さくらん』(07年)では監督を務めるなど、今最も活躍する写真家の一人です。小山登美夫ギャラリーでの個展は3年ぶり、3回目となります。

<蜷川実花オフィシャルサイト>
http://ninamika.com (PC)
http://ninamika-m.com (mobile)

全文提供: 小山登美夫ギャラリー 京都

最終更新 2009年 10月 23日
 

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