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木村友紀:1940年は月曜日から始まる閏年
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 10月 03日

≪Ursel (24,Ⅻ,40)≫2009年 |画像提供:タカイシイギャラリー copyright(c) Yuki KIMURA

3年ぶり5回目となる木村友紀個展。 1971年生まれ、京都を拠点に活動する木村友紀は、写真や映像、立体を用いたインスタレーションで国際的な活動を展開し、「第6回イスタンブール・ビエンナーレ」(1999年)、「横浜トリエンナーレ」(2005年)、「mellow fever」la galerie des galeries(パリ 2008年)、「大友良英ENSEMBLES」山口情報芸術センター(山口 2008年、quartetsに映像制作として参加)、「インシデンタル・アフェアーズうつろいゆく日常性の美学」サントリーミュージアム天保山(大阪 2009年)、などのグループ展に参加してきました。そして今夏には、大和プレス・ビューイングルーム(広島)にて、2005年から2009年までの近作及び最新のインスタレーションを含む大規模なコレクション展を開催しました。

「現像」される事後性としての記憶とは、過去の記憶ではなく、AとB(とCとDと・・・・)のあいだのポリフォニックな共鳴現象のことである。インスタレーションとはそのための共鳴室なのだ。複雑な音響を解析するために、様々なフィルターをかけて部分的な周波数を切り出し、反復し、増幅するように、木村はファウンド・フォトを構成する様々な要素を、分離し、コピーし、拡大し、軽やかに組み合わせながら、空間の中に、事後的なレゾナンスとしての映像の記憶を拡げていく。

[清水穣 「DAIWA PRESS VIEWING ROOM vol.09」(大和プレス、2009年)より引用]

本展では、約10点の写真/彫刻作品を展示致します。展覧会の題名「1940年は月曜日から始まる閏年」は、ウィキペディアで1940年を検索すると始めに出てくる言葉です。1940年のドイツで、クリスマスカードとして撮影された1枚の写真を発端として、そこから派生したイメージが他のイメージと結びつき、月曜日や閏年という別のベクトルに飛び火し、発展して生まれた作品群によって本展は構成されています。木村友紀は、濃紺、緑色などに着色されたアクリルに写真を収め、文字通り影の中に隠蔽された写真を作ります。差し出されるイメージは、観る者が自由にその間で想像力を働かせることを可能にします。この機会に、木村友紀の最新作品をぜひご高覧下さいませ。

全文提供: タカ・イシイギャラリー

 

最終更新 2009年 10月 10日
 

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