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卯野夏子&田村香織:1987
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 9月 25日

田村香織≪なみだまり≫2009年| tempera on panel|画像提供:ギャラリーストレンガー copy right(c) Kaori TAMURA

卯野夏子≪再考≫ 2009年| acrylic on plaster, silver point,, pen|画像提供:ギャラリーストレンガー copy right(c) Natsuko UNO

ギャラリーストレンガーでは、次世代を担う若手日本人作家2人による「1987」-卯野夏子&田村香織-の展覧会を開催いたします。

2人が生まれた1987 年をタイトルに掲げた今回の展示会では、異なるそれぞれの世界を融合させた合作も展示予定です。共に多摩美術大学卒業を控え、今後更なる飛躍が期待される2人の作品を、この機会にぜひご覧頂きたくお知らせ致します。 「人と人、男と女、過去と未来、私たちの周りには『関係性』で成り立っている。しかし、お互いがその関係性を認識しているのかどうか、その関係性がうまくいくかどうかはわからない」と語る卯野夏子。昨年夏に当ギャラリーで展示した「RelationshiP」以降、“ 自己と他の関係性”について、より深く関心を寄せるようになったといいます。

今回展示される「再考‐Recollection‐」については、「関係性を客観視することで見える“ 自己の存在” を感じてもらえたらと思う。引き出しの奥を整理したときに甦る記憶のように…」1987 年に東京で生まれ、現在、多摩美術大学の4 年次に在学中。これまで油彩、テンペラ、銅版画など様々なメディアを使い、毎回内なるメッセージを見事に作品に昇華しています。

田村香織は、カンバスに何層もの色彩を重ねて乾かし、鋭利な道具で最終層に傷をつけることで細かなラインを描くことを可能にし、透明感あふれるファンタジックな世界を作り上げています。この制作方法について田村は「表面を切り裂き、内面世界を露わにする行為と類似している」と語っています。 1987 年に横浜で生まれ、卯野同様、多摩美術大学4年生。すべてが宙に浮いているかのような浮遊感を味わうことができる心地よさは、彼女ならではの世界観です。あえてテンペラという古典的絵画法を使う彼女の作品は、「Via Art 2007」で観客賞を受賞、更にこの夏、韓国ソウルで開かれた「ASIA TOP GALLERY HOTEL ART FAIR 09」に出展、海外デビューを飾るなど、着実に支持を集めています。日常の関係性から“ 自己の存在” を表す卯野。カンバスを傷つけることで“ 内面世界を露わにする” 田村。相違する2つの世界が相俟った合作にも注目です。

全文提供: ギャラリーストレンガー

最終更新 2009年 10月 24日
 

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