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児玉画廊、URANO、山本現代、ユカ・ツルノ・ギャラリーが東京・天王洲に新スペースをオープン―展覧会は9/10(土)から
ニュース
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2016年 8月 27日

児玉画廊、URANO、山本現代、ユカ・ツルノ・ギャラリーが、東京・天王洲のTerrada Art Complex 3F(東京都品川区東品川1-33-10)に新スペースをオープンする。9/10(土)からは、オープニング展となる4つの展覧会が会期を合わせて開催される。新スペースは品川駅と天王洲アイル駅間の河辺に位置し、倉庫建築を生かした天井高5メートルのギャラリー空間となる。寺田倉庫が手掛ける新しいアートの拠点である「Terrada Art Complex」には、アーティストのアトリエやアート関連会社等も同時に入居予定。多くの作家を発掘・紹介してきた現代美術ギャラリーの新たな展開に注目だ。

Terrada Art Complexの外観


<オープニング展覧会情報>

●児玉画廊
展覧会名:ignore your perspective 35「外見の違うハードコア」
(参加作家:貴志真生也、関口正浩、和田真由子)
会期: 9月10日 (土) 〜 10月22日 (土)
時間: 11:00-18:00(火-木/土)11:00-20:00(金)日/月/祝休廊

   オープニング展となる本展では、児玉画廊の本領とも言える展覧会シリーズ ”ignore your perspective” の第35弾として「外見の違うハードコア」と題し、貴志真生也、関口正浩、和田真由子の三名を取り上げます。現代において美術は多様なメディア、思想を含み、なおかつ作品形態もそれに応じて無限の広がりを見せています。近代以降国際展に見る社会との関連性、現代においては、ともすればアートの名を冠した町興しや企業キャンペーンの使命を担わされます。また一方では、マーケットにおける投機的価値形成、ハイソコミュニティの社交ツール、そしてお洒落アイテム化。など、美術に対して求められる要素も多様化の一途を辿っています。ギャラリーの立ち位置も含め、多くの矛盾を孕むジレンマもまたアートの宿命と言えるでしょう。今ここで美術の有り様のそれぞれについて、善悪や真偽を問おうというのではありません。その渦中においてなお、美術の歴史における中心核:「ハードコア」に連なることを志した制作を直向きに続けている作家が存在する以上、そこに今こそ目を向けずにはおれない、ということなのです。貴志、関口、和田の三名の作品は、間違いなく美術の新側面に寄与するものでありますが、一様におよそ「ハードコア」なるものの想像からは大きく外れた外見をして見えるのかもしれません。しかし、であるからこそ、彼らの作品が問うているものの重要性とその可能性について注視しておくべきはずなのです。――(児玉画廊)

貴志真生也 《リトル・ヘラクレス 2》 2010 ©Maoya Kishi


●URANO(※移転に伴って名称をARATANIURANOから「URANO」へ変更)
展覧会名:淺井裕介「胞子と水脈」
会期: 9月10日(土)〜10月15日(土)
時間: 11:00-18:00(火-木/土)11:00-20:00(金)日/月/祝休廊

   淺井裕介(1981年東京生まれ)は、現地で採取した土と水で描く「泥絵」、植物のように壁に拡がるマスキングテープの上にペンで描く「マスキングプラント」、道路用の白線素材を地面に焼き付けて描く「植物になった白線」など、身の周りの様々な素材を用いて、室内外問わずありとあらゆる場所に奔放に絵画を描きます。 近年はヒューストンのRice University Art Gallery、東京都現代美術館、箱根彫刻の森美術館、青森県立美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館で立て続けに泥絵の大作を発表し注目を集めました。主な個展に「淺井裕介ー絵の種 土の旅」(2015、箱根 彫刻の森美術館、神奈川)、「yamatane」(2014、Rice University Art Gallery、ヒューストン)、「八百万の物語」(2012、国際芸術センター青森、青森)、主なグループ展に、現在開催中の「生きとし生けるもの」(ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「青森EARTH2016 根と路」(青森県立美術館)、「瀬戸内国際芸術祭」(犬島)の他、「HORIZON THAT APPEARS OUT OF THE SLEEPY WOODS」(2016、Stephen Friedman Gallery、ロンドン)、「未見の星座(コンステレーション)-つながり/発見のプラクティス」(2015、東京都現代美術館、東京)など多数。益々の活躍が期待される若手作家です。
   本展では、これまでの山や森といった地上のイメージの増殖だけでなく、地中の水(水脈)や湧き出る泉のイメージも加わり、根源的な生命の豊かさや繋がりを表現します。是非ご期待ください。
――(URANO)

淺井裕介 《生きとし生けるものへ》 2016 ヴァンジ彫刻庭園美術館 ©Yusuke Asai


●山本現代
展覧会名:Welcome to the A W E S O M E M A N S I O N
(ナイル・ケティング、小林耕平、今津景、宇治野宗輝らギャラリー・アーティストによるグループ展)
会期: 9月10日(土)〜10月15日(土)
時間: 11:00-18:00(火-木/土)11:00-20:00(金)日/月/祝休廊

   ナイル・ケティングはベルリン在住で、様々なマテリアル・メディアを先駆的に使うアーティストで、先般森美術館で開催された六本木クロッシングに出展、現在はドイツ・カールスルーエのZKMの企画展GLOBALE: New Sensoriumに参加中です。
   また今津景は歴史的美術作品をモチーフにイメージの転換と組換えを「絵画」の中で展開するペインターです。
   小林耕平は本年のあいちトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭(秋)にも参加、ヴィデオとインスタレーションを主軸にした未知の思考を探究する作品展開をしています。
   宇治野宗輝は家電等の大量生産される製品を用い、サウンド・インスタレーションに昇華する作品「ザ・ローテーターズ・シリーズ」を続投、近年ナムジュンパイクセンターやバンクーバーアートセンターで企画展に参加するなど国際的に活躍しているアーティストです。
   本展では、ナイル・ケティングはオブジェクトを、今津景は新作巨大ペインティングを発表、また小林耕平のヴィデオ作品、そして本展に合わせ宇治野宗輝の、さながらリビングルームのようなローテーターシリーズのインスタレーションなどを展開いたします。
――(山本現代)

ナイル・ケティング 《Person》 2014 ©Nile KOETTING


●ユカ・ツルノ・ギャラリー
展覧会名:ホセ・パルラ「Small Golden Suns」
会期: 9月10日(土)〜12月3日(土)
時間: 11:00-18:00(火-木/土)11:00-20:00(金)日/月/祝休廊

   ユカ・ツルノ・ギャラリーでは、NYを拠点とするペインター、ホセ・パルラの個展「Small Golden Suns」を9月10日から12月3日まで開催いたします。本展は日本での本格的な初個展となった2013年以来、待望の2回目の個展となります。
    本展覧会は、パルラ特有のリズミカルなカリグラフィーが鮮明な色彩の背景に重なり合った大型作品「Small Golden Suns 」を中心に、約1年かけて同時に描かれた様々なサイズの最新作10数点によって構成されます。このシリーズを通してパルラは、今日の世界中の子どもたちの状況を懸念しながら、輝く太陽である子どもたちを讃え、幼少期から芸術に触れることの大切さ、そしてアートが持つ力とその可能性について言及しています。
    パルラは1973年マイアミ生まれ。サバンナ美術大学とニューワールド・スクール・オブ・アーツでペインティングを学び、現在はブルックリンを拠点に活動しています。これまで国内外での様々なパブリック・プロジェクトに取り組んできていますが、近年ではニューヨークのワン・ワールド・センターのロビーに設置された約27メートルの大規模な壁画や、バークレーセンター(ブルックリン)の壁画、第11回ハバナ・ビエンナーレでのフランス人アーティストJRとのコラボレーションプロジェクトなどが大きな話題となりました。最近の個展に、ハイ美術館(アトランタ)、メアリー・ブーン・ギャラリー(NY)、ブライス・ウォルコウィッツ・ギャラリー(NY)、ハウンチ・オブ・ ヴェニソン(ロンドン)などがあります。アメリカの抽象表現主義の系譜を引き継ぐ作家として世界的な注目を集めており、国際社会におけるアイデンティ、マイグレーション、イマジネーションなどをテーマにした大型作品を中心に活動しています。
――ユカ・ツルノ・ギャラリー

ホセ・パルラ 《Small Golden Suns》 2016 ©Parlá Studios

 

 

Terrada Art Complexへのアクセス

 

最終更新 2016年 8月 31日
 

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