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「たましひが耳をすますと」・柏原えつとむ展
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Published: April 13 2016
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「約束の絵画 ズームアップ夜間飛行より」1967-2014 1303×1621×50mm キャンバスにアクリル絵の具・水性ペイントなど(一部油性)

「たましいひが耳をすますと」とは萩原朔太郎の詩集「月に吠える」に収められている詩(悲しい月夜)の一節だが、頁の隙間に忘れていたしおりのように思わぬ場所からふいに顔を出す。
これを今回の個展の枕にしたが、何を託したいのかと聞かれても少々返答に詰まる。中高時代から馴染んで来た「たましひ」と「耳をすます」だが、それらの意味を深く掘り下げた記憶はない。ボクにとって意味など問わなくても感受できる呪文のようなものかも知れない。
「では人生の羅針盤?」と聞かれればなお困る。むしろ仕事や美術においてはその世界とは逆方向へ舵を取ってきた。少年期にこころ震わせた陰鬱なセンチメンタルが気恥ずかしくもあったし、それとは別の海へ冒険心を立ち上げるスリルの方が夢中になれたのだ。  
では今回はどういうことだ。血迷いか? いや大げさに言えば時代への再挑戦と実験だ。
いつしか時代は「耳をすます」からも「たましひ」からも遙か遠くまで来てしまい、ひたすら煌びやかさと喧騒に酔うばかりだ。その渦へこんな枕の一つでも投げ入れてみたくなったというのが本音だが、きっと何かが始まる。

http://www.art16.net/

全文提供:ギャラリー16


会期:2016年4月12日(火) 〜 2016年4月23日(土)
時間:12:00〜19:00 日曜・最終日は〜18:00迄
休日:月曜日
会場:ギャラリー16

Last Updated on April 12 2016
 

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