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-終わりと始まり- 金子國義 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2016年 2月 16日

金子國義ポートレート

優雅で贅沢な世界、金子國義という人生の美学

2015年2月、Bunkamura Galleryにて開催された金子國義展「美貌の翼」。折しも刊行された自叙伝の堂々たる記述がおのずとそれを伝えるように、そのユニークな人間性と絶対的な美意識によって多くの人々を虜にしてきた金子は、同展でも往時と変わらぬ健在ぶりを見せつけていました。しかし、その約一か月後に突然の訃報。奇しくも、初の自伝の出版を記念した個展が彼にとって最後の発表の場となりました。

1967年「花咲く乙女たち」で画壇にデビュー。以来「不思議の国のアリス」「お遊戯」「マダム・エドワルダ」など文学の影響色濃い作品を次々と生み出し、その耽美的で洗練された世界は絶えず世間を魅了し続けてきました。独学で絵を描き始めた彼において作品とは、生まれ持った資質と恵まれたバックグラウンドの賜物。そうした芸術的嗜好の方向性を決める転機となったのが、澁澤龍彦から依頼を受けたフランスの官能小説『O嬢の物語』の挿絵の仕事でした。この澁澤との宿命的な出会いを皮切りに、金子は60年代以降、三島由紀夫、高橋陸郎、唐十郎、四谷シモン、コシノジュンコらとともに、時代の寵児としてアバンギャルド芸術の最前線をリードしていったのです。

また、その旺盛な創作意欲は絵画の領域のみに留まらず、写真や着物のデザイン、十八代目中村勘三郎襲名披露興行の口上の舞台美術など、ジャンルを超えた活動で幅広い層から支持を得てきました。

本展では、金子國義の1周忌に合わせた回顧展として、油彩・版画・書籍などを展覧・販売いたします。近日にはオールカラー208ページの画集「イルミナシオン」の刊行を予定。大胆な構図や色使いで表現される優雅でいて贅沢な世界観は、まるで本人の人生そのもの。金子國義が生涯描き続けた「究極のエレガンス」の数々をこの機会にぜひご覧ください。

http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/160312kaneko.html

全文提供:Bunkamura Gallery


会期:2016年3月12日(土) 〜 2016年3月23日(水)
時間:10:00-19:30
休日:会期中無休
会場:Bunkamura Gallery

最終更新 2016年 3月 12日
 

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