| EN |

流麻二果「角ぐむ」
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2016年 1月 14日

流麻二果「その次」2015 油彩、キャンバス 110.5x116.7cm (撮影:加藤健)

流麻二果(ながれ・まにか)は1997年女子美術大学絵画科卒業後、2000、06年「VOCA展」(上野の森美術館)に出品。その後、文化庁新進芸術家在外研修員、ポーラ美術振興財団在外研修員としてアメリカ、トルコで作品を発表。さらに「饒舌な寡黙、寡黙な饒舌」Pola Museum Annex(2006)、「DOMANI・明日」国立新美術館(2010)、「Line of Sight」Miyako Yoshinaga Gallery, NY(2014)、「絵画を抱きしめて」資生堂ギャラリー(2015)など国内外で発表を続け、その圧倒的に存在感のある作品は高い評価を受け、今最も注目される作家の一人です。

また近年は、港区立麻布図書館での色彩監修、ホテルや建築物のパブリックアート、さらに作品をプリントした商品をアパレルブランドENFOLD、資生堂とのコラボレーションで発表するなど、絵画の可能性を追及するその活動は広がりを見せています。また、震災を機に様々な状況にある子供たちにアートを届ける非営利団体「一時画伯」の発起人としても活動を続けています。

一見抽象的な画面に見えるものの、描かれているのはわずかに存在したであろう人の気配や匂い。雄大に無限に広がる自然の風景。流は様々な形で関わり、過っていった人たちに寄せる興味、自然への思いを豊かな色彩感覚で描いてきました。幾つものレイヤーが複雑に重なり合い、贅沢にたっぷりと溢れるように描かれた画面。その空間をも一変させる豊かで力強い作品は観る者が作品を通してどこまでも想像力を掻き立てられ、常に新たな出会いへと誘われる「絵画の幸福感」ともいえる喜びに満ちています。

今回の新作展のタイトルは『角ぐむ』。新たな展開の始まりではなく、これまでの制作の流れに沿うかたちで次につながる作品が提示されます。流が描いてきた様々な線は、身体や人々の気配、風景に溶け込む草木などあらゆるものが交錯するかたちで現れてきましたが、それらの線を丁寧に紡ぐ仕事が続けられています。

今回は新作の油彩を約10点発表します。新たな年明けどんな線に出会えるか楽しみな展示になります。お見逃しなく是非ご高覧下さい。

http://g-tokyohumanite.jp/exhibitions/2016/0112.html

全文提供:ギャルリー東京ユマニテ


会期:2016年1月12日(火) 〜 2016年1月30日(土)
時間:10:30-18:30
休日:日曜日
会場:ギャルリー東京ユマニテ

最終更新 2016年 1月 12日
 

関連情報


| EN |