編集部ノート    執筆：小金沢智

佐内はなぜエヴァを撮ったのだろう。しかもアニメや映画のそれではなく、なぜパチンコのそれなのだろう。写真を見るたびに疑問が浮かびそれらが解決することは結局なかったが、今回佐内の撮影した写真を見て再確認したのは、どれだけ二次使用されようともエヴァはエヴァであり続けているということだ。パチンコになろうとも、写真になろうとも、そこには確固としたエヴァの世界の熱が噴出している。展示会場にはエヴァのテーマ曲まで流れていたからいっそうである。佐内が40数点のプリントの中に実際の木や街並み、海の風景を紛れ込ませたその真意はわからないが、私にはそのことのよってフィクションとノンフィクションの垣根が崩され、等しく一つの世界が立ち現われているように思われた。そこではすべてが等価のようだった。