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墓制の記憶1
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2015年 11月 23日

墓制の記憶1

12/10~12/12の3日間、京都造形芸術大学内ギャラリー Galerie Aubeに特設設置される空間、CYPHER01にて小松千倫の個展が開催される。

京都在住の小松千倫は、知覚領域の内外における『音』をテーマに、インスタレーション作品、映像作品、平面作品を制作するアーティストである。

本展で展示される作品は、小松自身の家系に存在する、ある一つの事物をトピックにして展開される。彼の家系には、「2つ目の墓地」なるものがある。その2つ目の墓地は、近日中に施行される宗教行為の実践とともに、1つの墓地にまとめられることが決定されている。本作品は、その墓地と周辺を、フィールドレコーディングした音によって、構成されるインスタレーション作品である。
パーソナルな主題を取り扱った本作品。空間は、孤立した儀礼の場として立脚することとなるだろう。それは同時に、一連の事の関係者である彼自身が、形どる記録なのだ。

音を空間構成の主材料として風景を具体化し、モチーフをひとつの抽象物としてぼやけさせるような彼の手法。
今回、おそらく空間は、個人儀礼によって生まれる「墓石」として機能する。

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『墓制の記憶1』
12/10(木)~12/12(土)
15:00~20:00
入場無料
CYPHER01(京都造形芸術大学ギャラリー Galerie Aube内特設スペース)
http://cypher0102.tumblr.com/

私の家も納骨堂は一つである。しかし、その納骨堂から2キロほど離れた違う山の中腹に、もう一つ私の家の墓地が有る。そこには十五基の墓石があり、(墓石と言っても、方形の岩や、不揃いな岩を集めたものまで様々)私のご先祖の御霊が眠っている。私の父は、私に一つの面白い話をしてくれる。曾祖父は父と同じお墓には絶対に入らないと言ったそうだ。納骨堂は曾祖父が亡くなった時に作られたものであるという。もう一つの墓地にはそれ以前のご先祖が眠っているが、それらを正式に記していた記録書は竹林寺の火災により消失したという。父は昔、お墓の配置図を祖母や曾祖母から伝え聞き、手記した。父の代で十五基ある先祖のお墓を一つにまとめるため、今年一度記録を整理する必要があった。

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[小松千倫]
1992年高知県生まれ、2015年京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻構想設計在籍中。16歳の頃よりReaperを使用したサンプリングコラージュ、フィールドレコーディング、プロセッシングされたノイズ・音響作品を制作、高校時代よりmix CDの制作、ネット上での公開を開始。Madeggとしては、2012年 flauより1st 『Tempera』をTシャツにDLリンクという形式でリリースし、英MixmagのBest Album of Monthに選出されるなど欧米を中心に高い評価を得る。Sonar Sound 2013 Osaka/Tokyo 両公演に20歳の最年少記録で出演。2015年より、IdleMomenstと共同主催で『INTEL』をオーガナイズし、D/P/IやTCF等のアーティストを招聘。自身のレーベル『NOCREDIT』の運営をスタートした。また、知覚領域の内外における『音』をテーマにしたインスタレーション作品、映像作品、平面作品の発表、グラフィックデザイン、リトルプレスの制作も行う。

http://kazumichi-komastu.tumblr.com/
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http://cypher0102.tumblr.com/

全文提供:片山達貴


会期:2015年12月10日(木) 〜 2015年12月12日(土)
時間:15:00~20:00
休日:会期無休
会場:CYPHER01(京都造形芸術大学ギャラリー Galerie Aube内特設スペース)

最終更新 2015年 12月 10日
 

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