傍嶋崇:オキロネロ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 9月 10日 |
今展は、昨年春に鎌倉画廊で開催した若手平面作家によるグループ展「絵画の春」に出展した傍嶋崇の新作個展となります。1981年生まれの傍嶋は、東京造形大学在学中より「トーキョーワンダーウォール」や「VOCA展」などで作品を発表してきました。「日常的」な思考を作品に色濃く反映させてきた作家は、身近なモチーフを取り入れながらも大胆に単純化した構図と分厚く盛られた鮮明な色彩で独自の絵画表現を作り出しています。2007年VOCA奨励賞を受賞した際には、「平坦な色面構成と艶やかな質感表現によって、油絵というものの魅力を改めて強く感じさせる。(中略)表情も背景も消して一切の物語的説明はなく、ただ人間の行動の本質だけを形象化している ところに、小気味の良い爽快さを覚える」(選考委員・高階秀爾氏/同展図録選評より)と評されました。これまで、「ハナサナイ」「アマエル」「ヤミクモ」など直接的でユニークなタイトルも鑑賞者の注目を集めてきましたが、画面上で繰り返される複数の筆触やひしめきあう色たちが呼応する傍嶋作品は、絶妙な均衡を持ってその存在感を放ちます。近作のテーマには「『生きる』という言語に極力近づけたもの」があり、「『人生とは』といった人生論を語るものではなく、もっとクールな見方で『そこにある』こととして表現し、複雑になり過ぎたものを極力簡略化したい」という作家自身の感性が存在します。今展では、大作から小品まであわせて16点の新作を展示致します。また、これまでとはやや異なる色調の変化にも注目して頂ければと思います。 傍嶋 崇(そばじま たかし) 全文提供: 鎌倉画廊 |
最終更新 2009年 9月 19日 |