| EN |

勝又公仁彦展 Hotel’s Window
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2015年 7月 28日

勝又公仁彦「2009年5月24−25日 神奈川県横浜市西区北幸1-3-23 横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ1219号室」(2009年、発色現像方式印画、120×150cm)

写真家、勝又公仁彦は2005年から、世界各地のホテル室内で窓に向かって撮影するプロジェクトに取り組んでいます。三脚でカメラを固定し長時間露光で撮影した写真には、窓の外の景観とともに窓の周りの室内景観も写り込んでいるのが特徴です。これまでの撮影地は日本、米国、イタリア、中国など十数カ国の計100地域以上。今回は、その中から厳選した十数点を紹介します。

2005年にイタリアを旅した勝又は、ホテルの部屋がcameraと記されていることに気がつきました。(イタリア語で)カメラである部屋に写真機であるカメラを据え、その中と外を同時にのぞいたらどうなるのか。そうした興味から、このプロジェクトは始まりました。多くの場合、ホテルの窓の内側と外側は空間の広がりや明るさが違うため、たいていの人はどちらか片方に意識を向けています。しかし勝又はカメラのレンズを通して、窓の内と外をフラットにとらえました。

露光時間は30分から6時間程度。窓の外の街の光を増幅し新たな景観を生起させるだけでなく、一瞬では写すことのできない暗い室内の様子も写し、それらを一続きの景観として提示しています。10年に及ぶ撮影の中では、雷などの自然現象を偶然つかまえることもありました。さまざまな人間関係を結ぶホテルを舞台に撮影は今も続いています。

7月31日午後7時、写真家・映像人類学者で多摩美術大教授、あいちトリエンナーレ2016芸術監督でもある港千尋氏と勝又公仁彦の対談があります。

勝又公仁彦(かつまた・くにひこ)
静岡県生まれ、早大法学部卒、1998年インターメディウム研究所修了。現在、京都造形芸術大専任講師。
<近年の主な展覧会>
2006年「Natura Morta 」(Leica gallery Solms、独ライカ本社)、08年「Dwelling」(世田谷美術館、東京)、11年個展(森アートセンター六本木ヒルズクラブ、同)、13年「都市の無意識」(東京国立近代美術館)。05年日本写真協会新人賞。東京国立近代美術館、世田谷美術館、沖縄県立博物館・美術館などに作品が収蔵されている。

http://dancer.co.jp

全文提供:橘画廊


会期:2015年7月28日(火) 〜 2015年8月8日(土)
時間:12:00-19:00
休日:日・月曜
会場:橘画廊

最終更新 2015年 7月 28日
 

関連情報


| EN |