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古家万:Real Imagination/現想図 Vol.1
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 9月 02日

≪no.071608, Seascape and A Moon Trail≫2008年 | アーカイバルピグメントプリント、蓄光ピグメント、アクリル樹脂板 | 画像提供:東京画廊+BTAP | copyright(c) Man FURUYA

古家万は1970年東京生まれ。米国のArt Center College of Designを卒業後、8x10カメラを用いた夜間の長時間撮影という技法で、作品制作を行っています。2005年に活動の拠点を東京に移し、現在では日本の伝統風景、近代都市を舞台に制作を続けています。 古家万の写真作品は、高精細プリントによって撮影風景の細部を生々しく映し出す一方で、全体構図の極めて意識的なコントロールによって特徴づけられます。カメラを固定して長時間撮影された古家の作品には、月や星が夜空に辿った光跡が捉えられ、時間軸という動的要素が吹きこまれています。

古家は自身の作品制作において、”Seeing Motion in Fixed Images”(動きのないところに動きを見る)をコンセプトとし、書や墨絵、浮世絵などにも通じる「静中の動」を探求しています。誇張された構図を用いて、写真の絵画的可能性を追求し、形象が持つ象徴的な意味にまで洞察を進めています。

2006年の2人展に続き、東京画廊+BTAPでの初の個展となる本展では、富士山、華厳の滝、大洗の鳥居など、代表的な日本の古典的風景を敢えて舞台とした作品を展示いたします。展覧会タイトルにもなっている[Real Imagination/現想図]には、作家自身の言葉によれば「頭に思い描いた想像と現実の間を埋める、普段見る事の出来ないもの」という意味が込められています。本展の古家の一連の作品は、日本の古典的な構図を用いて、現代の風景に新たなダイナミズムを与えようとする試みです。

全文提供: 東京画廊+BTAP

最終更新 2009年 8月 26日
 

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