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ベアト・ストロイリ:Living Room
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2014年 8月 22日

2014 (C)Beat Streuli, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

ベアト・ストロイリは、80 年代の後半から活動を始め、90 年代にはパリ、ニューヨーク、ローマなど世界中の都市で作品を発表し続け、現在はベルギーのブリュセルを拠点にヨーロッパを中心に制作活動を行っている写真家です。

活動を始めた当初は、モノクロの小さなフォーマットの作品を制作・発表していましたが、90 年代の初めにはスライドプロジェクション、そしてヴィデオプロジェクションと空間全体を使った展示構成へと変わっていきます。一方で巨大なトランスペアレントフィルムを用い、それをビルボードやビルディングのウィンドウ、ファサードなどの施設に設置した大型のインスタレーションプロジェクトが世界の様々な都市で実施され、次第にそのスケールは大きくなっていきます。

彼はこれまで、ヨーロッパの様々な都市を渡り歩き、望遠レンズを通して公共の場の人々を撮影し、その場所で生活する人々とそこにある日常性にフォーカスを当ててきました。その表情は先進国の都市そのものを時に象徴するものでもありましたが、ここ近年はヨーロッパの主要な都市だけではなく、非ヨーロッパ社会に対しても社会的な視線を向けるようになり、彼の表現は視覚的でありながら同時に抽象的なものへと、より複雑な構造へと発展しています。

1993 年にニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)でのNew Photography に選ばれ、シドニービエンナーレ、光州ビエンナーレ、シンガポールビエンナーレなど多くのビエンナーレに参加する一方で、2002 年に行われたパレ・ド・トーキョー(パリ)のグランドオープンでは、美術館のエントランスの窓に大型のインスタレーションを行い、その後も多くの個展
やプロジェクトに参加しています。近年では2012 年にIkon Gallery(バーミンガム)でも個展が開催されました。
2005 年の横浜トリエンナーレ参加以来、約10 年ぶりの日本での展覧会となる本展は、「Living Room」と題し、ギャラリーの壁面を利用して大型写真を壁紙のように張り付け、またプレクシグラスの額を用いた写真作品を展示いたします。
日常的なアートスペースと、その外にある(非芸術な)世界の境界上で、その間を繋げるインタフェースとしての作品は我々の視覚体験を揺さぶり新しい都市認識を提示することでしょう。

尚、今回の個展開催に合わせ、ベアト・ストロイリと詩人/評論家・倉石信乃氏によるトークイベントを開催致します。
また、倉石信乃氏によるベアト・ストロイリについて論述した研究冊子も刊行いたします。合わせてご案内申し上げます。


■トークイベント Beat Streuli(写真家)×倉石 信乃(詩人/評論家)
日時:2014 年9 月6 日(土)13:30-15:00
会場:HILLSIDE TERRACE café
(〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF 棟)
参加費:500 円(ワンドリンク付き)
※要事前予約。タイトルに「ベアト倉石トークショー」、本文に参加者のお名前、人数、ご連絡先(電話番号)を明記の上、 このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にしてください までお申し込みください。

■オープニングレセプション
日時:2014 年9 月6 日(土)18:00-20:00
会場:Yumiko Chiba Associates viewing room Shinjuku


全文提供:ユミコ チバ アソシエイツ VIEWING ROOM-shinjuku
会期:2014年9月3日(水)~2014年10月8日(水)
時間:12:00ー19:00
休日:日・月曜、祝日
会場:ユミコ チバ アソシエイツ VIEWING ROOM-shinjuku
最終更新 2014年 9月 03日
 

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