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無人島にて 「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2014年 8月 18日

 

1980年代、オールオーバーで装飾的なインスタレーション、レリーフ的な絵画、あるいは絵画/彫刻の復権といった動向とは一線を画しつつも、しかし緩やかなる同時代性を帯びた作家たちの実践があった。建畠晢は彼らの一部を「時代の状況から鋭く孤立したところにそれぞれの拠点を定めた作家」と呼んだが、「関西ニューウェーブ」が席巻し、すべてが「インスタレーション」として呼びならわされていくその過程において、彼らはどのように自らの作品と向き合ってきたのだろうか。そこにはただ60年代や70年代との切断や急激な転換の痕だけが刻まれているわけではないはずである。

「ひとつの島が無人島でなくなるためには、なるほど、単に人が住むだけでは足りない。」―ジル・ドゥルーズが残した奇妙なテクストが私たちにヒントを与えてくれる。他者なきそれぞれの拠点=無人島において、本展の作家たちは自身の日常を信じつつも反転させ、制作を行ってきた。彼らの実践は、無人島になり続けようとする不断の過程なのかもしれないが、その創造性は、これまでの80年代美術のイメージに修正を促すものだ。

断片的に語られてきた彼らの創造性をつなぎとめる係留点をつくりあげることで、本展が「80年代」を再考する一契機になるとともに、それぞれの作家の実践を現在と結びつける場となれば幸いである。

◆トークイベント◆
10月11日(土)
会場:ギャルリ・オーブ 進行:長谷川 新
14:30-16:00 福岡道雄、宮崎豊治、石崎 尚[愛知県立美術館学芸員]
16:30-18:00 笹岡 敬、椎原 保 ほか
予約不要 定員80名


全文提供:京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ
会期:2014年9月26日(金)~2014年10月19日(日)
時間:11:00〜19:00
会場:京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ
最終更新 2014年 9月 26日
 

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