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吉岡耕二:色彩の旅
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Published: August 15 2014
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「Positano/ポジターノ」
2014年、油彩、キャンバス
73×60cm

果て無き旅路、光と色を追い求めて

「筆のおきどころが難しい」と語る吉岡の作品は、画家の感じた一瞬のために絶妙な加減で留め置かれている、そんな印象を残すかもしれません。色彩の魔術師と呼ばれる「吉岡耕二」は、ただひたむきに色を追い求めます…自身が見た情景、その瞬間の色彩を。色彩にエネルギーを感じ、色彩に自由を見出す。まるで心の一瞬を掬いとるかのようなその表現力には、胸に迫る真実を描き出す凄味があります。

Bunkamura Galleryでの展覧会は、1997年から12回目の開催となります。展覧会ごとにテーマを変え、諸国を巡り、その景観をキャンバスに落とし込んできた吉岡耕二。その最新作の舞台となるのはイタリア南半島です。海に面し、断崖にピッタリ寄り添うように立ち並ぶ、色鮮やかな街並みが美しいアマルフィ。世界遺産にも登録されるこの街を起点に、イタリア最南端に位置するシチリア島まで、これまで多くの人々が目にしてきたであろう美しいこの国を、画家はどう写し取ったのでしょうか。

Bunkamura25周年記念とのコラボレーション企画となる今展。新作の油彩、版画の展覧販売いたします。また、過去11回の展示も辿れるよう、ポスターやDM、さらには当時の希少な油彩作品まで展示予定。これまで訪れ、描いてきた国々に想いを馳せながら、舞台は南イタリアへと繋がるのです。

1967年、今とは比較にならないほど世界が遠かった時代。美術留学のため、吉岡は単身フランスへと旅立ちます。この時、自身を駆り立てた想いは自由な色彩への欲求だったと、吉岡は語ります。若干24歳の若者であったこの時既に、果ての無い色彩への旅は始まっていたのでしょう。

パリへの渡航から47年。たゆまぬ研鑽と、光を追い続ける画家、吉岡耕二の世界を、南イタリアの美しい画面と共にぜひお楽しみください。


全文提供:Bunkamuraギャラリー
会期:2014年8月30日(土)~2014年9月9日(火)
時間:10:00 - 19:30
会場:Bunkamuraギャラリー
Last Updated on August 30 2014
 

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