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石内 都:幼き衣へ
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Published: June 26 2014
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「幼き衣へ」2013/2014 | 445×300mm | Cプリント

現代美術作家の表現の場であるLIXILギャラリーの現代美術個展ギャラリーでは、2014年6月5日(木)~8月23日(土)の期間「石内都展-幼き衣へ-」を開催します。

石内都は日本を代表する写真家の一人です。2014 年には35 年の業績に対してハッセルブラッド国際写真賞*を受賞しました。

本展では、LIXIL ギャラリー巡回企画展「背守り子どもの魔よけ」の展示品である子どもの着物を通じて、今はすたれてしまった着物文化の豊かな色彩と、美しい織布からみえる時代の空気と感覚を現在によみがえらせます。新作19 点を展示します。

*ハッセルブラッド国際写真賞スウェーデンのハッセルブラッド財団が1979 年に創設した国際的な写真賞。写真界のノーベル賞と称され、過去にアンセル・アダムス、セバスチャン・サルガド、ロバート・フランクなどが受賞。日本人では濱谷浩、杉本博司、石内都が3 人目の受賞者。

[作家プロフィール]
石内都(ISHIUCHI MIYAKO)
群馬県桐生市生まれ。1970 年代後半から写真を始める。初期3 部作で街の匂い、気配、空気を捉えた作品を発表。同じ年生まれの女性の手と足を収めた作品以降、身体の傷跡を写したシリーズを展開。「Mother’s2000-2005 未来の刻印」でヴェネツィア・ビエンナーレ美術展の第51 回日本館代表。2007 年にスタートした「ひろしま」は現在も継続している。2012 年には、大正・昭和に流行した着物・銘仙を撮った「絹の夢」を発表。2013 年には写真集「Frida by Ishiuchi」を出版。2014 年、日本人として3 人目となるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。「写真という布を編む」写真家として高い評価を受けた。

「主な受賞」
1979 年第4 回木村伊兵衛写真賞
1999 年第11 回写真の会賞
第15 回東川国内作家賞
2003 年第15 回写真の会賞
2006 年日本写真協会賞作家賞
2009 年第50 回毎日芸術賞
2011 年第60 回神奈川文化賞
2013 年紫綬褒章
2014 年ハッセルブラッド国際写真賞
「1999 年以降の主な個展」
1999 年「石内都展モノクローム時の器」東京国立近代美術館フィルムセンター:東京
2005 年「マザーズ2000-2005 未来の刻印」第51 回ヴェネツィア・ビエンナーレ:ヴェネツィア
2008 年「ひろしまStrings of Time」広島市現代美術館:広島
「石内都ひろしま/ヨコスカ」目黒美術館:東京
2009 年「石内都Infinity∞身体のゆくえ」群馬県立近代美術館:群馬
2012 年「絹の夢」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館:香川
2013 年「Ishiuchi Miyako」Michael Hoppen Gallery:ロンドン
2014 年「Ishiuchi Miyako」Hasselblad Center:ヨーテボリ、スウェーデン

「主な出版」
1978 年「アパート」写真通信社
1979 年「絶唱・横須賀ストーリー」写真通信社
1981 年「連夜の街」朝日ソノラマ
1990 年「1・9・4・7」I・P・C
1993 年「モノクローム」筑摩書房
1994 年「1906・to the skin」河出書房新社
1995 年「Hiromi 1955」筑摩書房
「さわるChromosomeXY」新潮社
2002 年「Mother\'s」蒼穹舎
2005 年「Scars」蒼穹舎
2008 年「ひろしま」集英社
2009 年「Infinity」求龍堂
2010 年「Sweet Home Yokosuka 1976-1980」PPP Editions、ニューヨーク
2012 年「絹の夢」青幻舎
2013 年「Frida by Ishiuchi」RM、メキシコ
2014 年「From ひろしま」求龍堂7 月刊行予定

「主な収蔵先」
チューリッヒ美術館
ニューヨーク近代美術館
ヒューストン美術館
メトロポリタン美術館
サンフランシスコ近代美術館
国際写真センター・ニューヨーク
ゲッテイ美術館・ロスアンジェルス
テートモダン・ロンドン
東京都写真美術館
東京国立近代美術館
東京都現代美術館
横浜美術館
川崎市市民ミュージアム
国際交流基金
国立国際美術館・大阪
徳島県立近代美術館等

石内都は日本を代表する写真家の一人です。2014年には35年の業績に対してハッセルブラッド国際写真賞*を受賞しました。本展では、LIXILギャラリー巡回企画展「背守り子どもの魔よけ」の展示品である子どもの着物を通じて、今はすたれてしまった着物文化の豊かな色彩と、美しい織布からみえる時代の空気と感覚を現在によみがえらせます。新作19点を展示します。

*ハッセルブラッド国際写真賞 スウェーデンのハッセルブラッド財団が1979年に創設した国際的な写真賞。写真界のノーベル賞と称され、過去にアンセル・アダムス、セバスチャン・サルガド、ロバート・フランクなどが受賞。日本人では濱谷浩、杉本博司、石内都が3人目の受賞者。

見どころ

① 新作「幼き衣へ」
本展では、LIXIL ギャラリー巡回展(東京・大阪)「背守り-子どもの魔よけ」展の展示品である、「背守り」や「百徳着物」を、日本を代表する写真家石内都が撮影した新作19 点を展示します。着物の背に縫い取られた母親手づくりのお守り「背守り」や、父母の着物の端切れなど様々な布を合わせて作られた「百徳着物」は、江戸後期から昭和初期に子どもの無事成長を願う母親によって、日本各地で作られていました。それらを収めた作品からは、母親の愛情や子どもの無事を願う祈り、かつてそれらを身につけていた父母の記憶さえも立ちのぼります。

② 布と記憶にまつわるテーマ
独学で写真を学んだ石内都は、「写真は真実を写す」という認識を覆す創作活動を行ってきました。これまでの作品には、母の遺品を写した「Mother’s-未来への刻印」(2000‐2005)や、撮影依頼を受けて始まった原爆資料館の遺品を収めた「ひろしま」(2007‐)、またその遺品の中に多くの絹織物があったことから、出身地である群馬県桐生市に収集されている銘仙に興味を抱いて取り組んだ「絹の夢」(2009‐2012)などの代表作があります。布や記憶をモチーフに制作されてきた作品には、個の視点を通して社会背景や文化までもが滲みます。

③ 「きものと母」 本個展リーフレットに石内都が「きものと母」(2000 字)を寄稿しています。幼い頃、毎年お正月に母に着せられていた絹の贅沢な着物のエピソードや、母が着ていた銘仙の着物にまつわる話など、着物を通して伝わる親の愛情や母から娘へと引き継がれる文化について、石内都が思いを寄せています。本個展リーフレットは、会場にて無料配布致します。

全文提供:LIXILギャラリー


会期:2014年6月5日(木)~2014年8月23日(土)
時間:10:00~18:00
休日:水曜日、8/14-17
会場:LIXILギャラリー

Last Updated on June 05 2014
 

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