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「楽園としての芸術」展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2014年 6月 21日

冬木陽(アトリエ・エレマン・プレザン)《あか》2012年 ©Atelier Elément Présent

人の営みにおいて、芸術は本来どのような役割を担うものなのでしょうか?
本展では、「アトリエ・エレマン・プレザン」(三重、東京)と「しょうぶ学園」(鹿児島)で制作された絵画・立体・刺繍などを紹介します。つくる歓びとともに、何か深い感情で満たされているような造形の数々は、見るものを陶然とさせる魅力を放っています。

ダウン症などの障害がある本展のつくり手たちは、ひとり黙々と、あるいは談笑しながら、何の気負いもなく作品を手掛けていきます。なかには、筆を執る前とは別人のような集中力を発揮し、目の覚めるような絵をたちまち仕上げてしまう人もいます。

完成に何年もの時間がかかる場合でも、作品への執着はありません。比較をし、競争することもありません。創造のプロセスにおける、息をするように迷いのない彼らの構えが、「限りない自由」を呼び込んでいます。

芸術の醍醐味とは、つくり手にも鑑賞者にも「特別な経験」が与えられることにあります。制作のなかで心が解き放たれ、その結果生まれたものが、また人の心を揺り動かすという奇跡のようなつながり。本展が新鮮な驚きとともに、世界に調和と幸福をもたらす芸術の可能性―「楽園としての芸術」のあり方―を体感いただける機会となることを願っています。

その他関連イベント:
第1回
日時:2014年7月26日(土) 14:00~16:00
テーマ:「創ってきたこと、創っていくこと」
講師:福森伸(しょうぶ学園統括施設長)

第2回
日時:2014年9月15日(月・祝) 14:00~17:00
テーマ:「<楽園としての芸術>を語る」(仮称)
第一部/講師:高橋源一郎(小説家) 14:00~15:00
第二部/講師:佐久間寛厚(アトリエ・エレマン・プレザン東京代表)
聞き手:中原淳行(本展担当者・東京都美術館 学芸員)

※いずれも会場は東京都美術館講堂(定員225名)。聴講無料。
当日13:00より講堂前で整理券を配布。定員になり次第、受付を終了いたします。
13:30に開場します。

全文提供:東京都美術館


会期:2014年7月26日(土)~10月8日(水)
時間:9:30~17:30 (入室は閉室の30分前まで)、8月12日(火)~8月17日(日)と金曜日は9:00~21:00 、ただし9月26日(金)、10月3日(金)は除く
休日:月曜日、9月16日(火) ※9月15日(月)、9月22日(月)は開室
会場:東京都美術館

最終更新 2014年 7月 26日
 

関連情報


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