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大村大悟:stain of glass
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 6月 02日

道具の話:大村大悟展 会場風景
金沢・世界工芸トリエンナーレ サテライト
2013  gallery muku/石川

ギャラリー・パルクでは、2014年6月3日[火]から6月15日[日]まで、「 stain of glass : 大村大悟 」展を開催いたします。

大村 大悟(おおむら・だいご / 1984~)は、これまでおもに土や木といった自然物、鉄やガラスといった日常的によく目にする「もの」を素材として、そこに最小限の手を加えることで、鑑賞者の認識を揺さぶり、ものの在り方や認識の変化を誘導する「こと」を起こすような作品展開を試みています。  例えば「壁に立てかけられた一本の棒っきれが、物語や歴史、記憶といった『何か』に紐づいた時、それはただの棒とは違う『何か』として認識されてしまう」ということ。  

日常的によく目にするものをモチーフとしながらも、人の手が加わることで生まれる方向性や、目にはみえない力の向き、また個人がもつ記憶や経験によって変化する認識の境界のようなものを作品化します。

とする大村は日常的なモチーフを用いて、そこに鑑賞者個人が持つ知識や記憶、経験や物語といった何らかの要素を誘導することで、その認識が変化する「境界」のようなものを作品化しようとしています。  そのための方法として大村は、「もの」の意味や在り方、「空間」の持つ特性、「鑑賞者」の知識・経験・固定概念など、それぞれの要素や背景を丁寧に観察し、収集します。そうして抽出された要素は、少しばかりの手を加えられることで微かに顕在化し、そこに小さなズレや違和感をつくりだします。異なる「もの」が持つ同一の要素を際立たせたり、不可視な要素を可視化させるなど、それらは目の前の「もの」に目を凝らす中で、鑑賞者自身がそこに新たな価値や視点を持つ「状況づくり」とも呼べるものです。  

ギャラリー・パルクでは2012年に続き2回目の個展となる本展で、大村は太陽の観察映像や木彫作品、鳥の巣等の資料を用いて会場内にそんな状況をつくりあげ、「鑑賞者」と「もの」と「空間」に新たな関係の「はじまり」をささやかに促します。

[作家コメント]
子供の頃、「どこにでも座るのはやめなさい」と叱られることがあった。
小さい頃は、テーブルや道端の縁石なども座りやすい高さだったのだが、尻を置いてはいけない場合や、尻が汚れる場合があった。
相対的な関係を知ることの積み重ねで、ものの価値を学んでいったように思う。

本展覧会では、太陽の観察映像や木彫作品、鳥の巣等の資料を用いたものなど、数点の作品展示を行います。
日常的によく目にするものをモチーフとしながらも、人の手が加わることで生まれる方向性や、目にはみえない力の向き、また個人がもつ記憶や経験によって変化する認識の境界のようなものを作品化します。

鑑賞者が、無意識に「あたりまえのこと」と捉えている身近な事象に対して、その意味の再確認、更新を促すような展示になればと思います。


大村 大悟

[作家プロフィール]
大村大悟|Daigo Ohmura

1984年 石川県生まれ
2007年 成安造形大学 造形学部造形美術科 卒業

個展
2012年 道具の話:大村大悟展(gallery muku/石川)
branch/forest (Gallery PARC/京都)
2008年 time・point of view (GALLERY wks./大阪)
2007年 rich farmland(立体ギャラリー射手座/京都)

グループ展
2013年 道具の話:大村大悟展(金沢・世界工芸トリエンナーレ サテライト gallery
muku/石川)
京都大学花山天文台gallery week(京都大学花山天文台/京都)
2012年 自然学 蕾 -来るべき美学のために-(ギャラリーアートサイト/滋賀)
Emotion Release:reprise(ギャラリーアートサイト/滋賀)
2011年 Eutectic-Eutectoid(Artislong Gallery/京都)
2010年 主張展(Artislong Gallery/京都)
sowaka clip9(gallery sowaka/京都)
2009年 Emotion Release(ギャラリーアートサイト/滋賀)
しがアートフェスティバル2009(滋賀会館/滋賀)
現代アートのコロンブスたち展(ボーダレスアートミュージアム
NO-MA/滋賀)
MASSIVE PROGRESSION(Artislong Gallery/京都)
Magnet design exhibition tour 09(兵庫県立美術館/兵庫)
2008年 Art Camp 2008(サントリーミュージアム[天保山]/大阪)
現代彫刻展vol.2(吹田市文化会館MAY THEATER/大阪)
2007年 彫刻 包摂される空間(ギャラリーアートサイト/滋賀)
艶展(gallery ryo/大阪)
2006年 湖族の郷アートプロジェクト(伊豆神社境内/滋賀)
アートナウKANAZAWA(金沢21世紀美術館/石川)
2005年 現代への視点vol.10(守山市民ホール/滋賀)


全文提供:Gallery PARC
会期:2014年6月3日(火)~2014年6月15日(日)
時間:11:00 - 19:00*金曜日は20:00まで 最終日は18:00まで
休日:月
会場:Gallery PARC
最終更新 2014年 6月 03日
 

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