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From the nothing, with love. ―虚無より愛をこめて―
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 5月 21日

 

展覧会タイトルは伊藤計劃の同名短編からの引用です。 物語は意識の欠落した人物、“虚無”によって書かれたテキストという体裁になっています。この中で、人はその行動の大半を無意識のうちに行うことができるとする研究結果が示唆され、その説明として脳のとある話が持ち出されます。
それは、本来処理速度もばらばらである視覚や痛覚などあらゆる感覚を、あたかも統合された瞬間として脳が『今現在』を作り上げている、そのように錯覚させているものが、私たちが『意識』と呼んでいるものなのだと。 そうであるならば、日々私たちが目にしているモノたちは果たして信憑性のあるものなのでしょうか。 この疑問は今回の3人に共通する問題であるように思われます。

現実の場所に部分的にフェイクを挿入し、実と虚、内と外などの両義性を求める太田の空間。 視覚や認識のズレ、すきまを平面上の層の中に組みこむ武政の絵画。 モノの輪郭を疑いつつ、その解体と再生を繰り返す映像を使った箕輪のインスタレーション。 そしてそれぞれの作品は、その先に一体何を見るのでしょうか。

物語終盤、「その先」を見た“意識”は、皮肉をもって日記帳にこう記します。

『世界は充分ではなかった( ワールド ワズ ノット イナフ )。』

[作家プロフィール]
太田 遼 Haruka Ohta
2010年 武蔵野美術大学大学院建築コース修了
主な発表
2012年 「安全・安心プロジェクト」Art Center Ongoing (東京都 吉祥寺)
「Tokyo Midtown Aword 2012」東京ミッドタウン(東京都 六本木)
「TERATOTERA祭り「NEO公共」」井の頭公園(東京都 吉祥寺)
「青梅ゆかりの名宝展」国立奥多摩美術館(東京都 青梅市)
2013年 「INSIDE OUT」Art Center Ongoing(東京都 吉祥寺)
「黄金町バザール2013」黄金町バザール(神奈川県 横浜市)


武政 朋子 Tomoko Takemasa
2007年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
主な発表
2008年 「6:37」 ナリワイギャラリー(東京)
2009年 「shadow play」 秋山画廊(東京)
「selection」 西日暮里
2011年 「Her eyes can’t catch anything」 秋山画廊(東京)
「my_your presious pieces 2」gallery坂巻
2012年 「short」 秋山画廊(東京)


箕輪 亜希子 Akiko Minowa
2008年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース修了
主な発表
2011年 「虫の居所」(企画:森啓輔「彫刻、何処でもない場所のカケラ」vol.4)
switch point(東京)
「所沢ビエンナーレ「引込線」2011」旧所沢市立第2給食センター(埼玉)
2012年 「中庭のエコー」gallery21yo-j(東京)
2013年 「Unknown History シリーズNo.4」Underground(東京)
「引込線 2013」旧所沢市立第2給食センター(埼玉)
石川卓磨キュレーション展「長い夢を見ていたんだ。|I’ve Been Dreaming for a Long Time.」TALION GALLERY(東京)
作家HP http://minowaakiko.com

観覧料:500円(1ドリンク付き)※イベント時をのぞく
場所:小金井アートスポットシャトー2F
参加作家:太田 遼/武政 朋子/箕輪 亜希子


会期中イベント:
□ゲストトーク①
5月23日 (金)18:00‐20:00
ゲスト:福住廉(美術批評家)
その後、オープニングパーティー
料金:1,500円 ( 1ドリンク+入場料+オープニングパーティ)
(トークのみの場合、料金は1,000円となります)
□ゲストトーク②
5月30日(金)18:00‐20:00
ゲスト:伊藤洋志(ナリワイ・作家)
料金:1000円 ( 1ドリンク+入場料)


全文提供:小金井アートスポット シャトー2F
会期:2014年5月21日(水)~2014年6月1日(日)
時間:11:00-18:00 金・土・日 11:00-20:00
会場:小金井アートスポット シャトー2F
最終更新 2014年 5月 21日
 

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