大森は1984年福岡県生まれ、大阪芸術大学美術科油画コースを卒業、今年多摩美術大学大学院美術研究科を修了し、今回が初めての個展となります。 日常生活の中の、たわいもない“小さな出来事”からイメージを借りてきて、そのイメージの中の「物質」や「感情」など、異なる要素を持ったもの同士を作家のフィルターを通して絡み合わせたり蹴散らかしたりしながら、再び組み替えられた油彩約7点を展示いたします。 今回発表する作品の中には、普段の生活の中の「出来事」が多く登場します。そのイメージを保ちながらもある瞬間、絵が安定しだしたら壊し、そして組み換えられてゆき、「背景という場所」の展開をキーワードとして描かれた作品です。

瞼の中に手を入れて爪楊枝みたいなものでひっかいてみる。
すると小さな紐達がおーきなお空へ飛んでいくので、あぁあぁと言いながら掴むと、少しだけ手に小さなバーミリオンが入っていた。
私は嬉しくてぎゅって撫でるのだが、彼らは私の脇で泳いでいる。
目の周りをくるくる回る先人に一回回るたびにこんにちはと挨拶をするのだが、しつこくまた目の前にくるので面倒臭い。
話し声が煩く、ハエタタキみたいなもので話し声をパンって叩くと、直立し、ほら目から血が出てる。
大地が直立してるの 。

【プロフィール】
1984年　福岡県生まれ
2007年　大阪芸術大学美術学科油画コース卒業
2009年　多摩美術大学大学院美術研究科修了 2008年　第44回神奈川県美術展　特選受賞(神奈川県民ホールギャラリー・厚木市文化会館/神奈川)、第28回　史水展（SPAZIO BRERA GINZA/東京）、Art & Design 国際講評会(清華大学美術学院/北京)
2009年　第6回はるひ絵画トリエンナーレ　優秀賞受賞(はるひ美術館/愛知)

全文提供：　ギャラリー58