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荒瀬哲也 展
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 8月 20日

≪Delusion of Reference≫インスタレーション|画像提供:ギャラリー58 copyright(c) Tetsuya ARASE

荒瀬は1981年福岡県生まれ、ドイツ・ハノーバー専科大学 Bildende Kunst 交換留学を経て広島市立大学大学院 芸術学研究科博士課程を修了後、福岡に拠点を移し、若手アーティストの制作スペース「共同アトリエ3号倉庫」http://www.3gosoko.ne.jp/の第7期メンバーとして福岡を拠点に活動をおこなっており、今回が東京で初めての発表となります。 荒瀬は、映像・写真・音などのメディアを用いて、これまでに「差異」や「ズレ」などをテーマとしたインスタレーション作品を発表しています。今回は、「監視社会」をテーマに、監視カメラや映像を用いたインスタレーションを発表します。キーワードは「何者かによって己は見られている」、「監視社会」。 床をゆっくりと這い回るいくつものセンサー付きダミー監視カメラ、壁面に設置された、何かを訴えかけるかのような或いは覗き見するような無数のダミーレンズ、映像作品によって構成され、現代の社会構造、審議の関係性を問いかけてきます。多様化し変質し続ける“コミュニケーション”について、そして“何者かによって見られている”現代社会をアイロニカルに浮き彫りにしてゆきます。

私は人の目の移ろいについて屡々考察している。

私たちは何かしらと他者と関係をはかろうとする。
現代におけるコミュニケーションのツールは目紛しく変化してゆき、私たちはいったい何によって繋がれているのだろうか。
実体として、あるいは音声だけで、文字情報のみで、或は暗号化されたデータで、そして時には映像によって。
時代とともに相互の関係は複雑さを増してゆく。
一旦、装置を介して他者と関係を持つことが当たり前となり、それはいずれ、人間さえも関与しなくなる事態が起こり得ることを暗示させる。

様々な履歴から行動を捕捉することが可能な時代において、どこまでを容認し、許容しないかという境界は、寧ろ権力により統括されている。その先に見えるものは---。

【プロフィール】
1981年 福岡県生まれ
2004-05年 ハノーバー専科大学 Bildende Kunst(ドイツ) 交換留学
2006年 広島市立大学大学院 芸術研究科 博士前期課程修了
2008年より福岡・共同アトリエ・3号倉庫メンバーとして制作中 <個展>
2003年 Gallery P2(広島)
2005年 いづゝや’広島)
2008年 共同アトリエ・3号倉庫 Studio & Exhibition Space(福岡)

全文提供: ギャラリー58

最終更新 2009年 8月 31日
 

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