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麥生田兵吾:Artificial S 2 -Daemon-
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 4月 30日

 

ギャラリー・パルクでは、2014年5月6日[火]から5月18日[日]まで、麥生田兵吾による個展「 Artificial S 2 -Daemon- 」を開催いたします。
本展は2013年に幕開けし、今年で2回目の開催となる国際写真フェスティバル「KYOTOGRAPHIE」のサテライト展である「KG+(ケージープラス)」への参加展覧会です。また、Gallery PARCでは同期間あわせ、3つの写真展を連続開催いたしますが、本展はその第三弾となる展覧会です。
麥生田兵吾(むぎゅうだ・ひょうご/1976年・大阪府生まれ)は主題として「Artificial S」を挙げています。「Sはsense=感覚(感性)」という意味を持つことから、麥生田は「Artificial S.」を「人間の手によりつくられた感性」というような意味として捉えているものです。麥生田はこの主題「Artificial S」を補完・構成する一つの試みとして2010年の1月より、毎日撮影した写真を、撮影したその日のうちに自身のウェブサイト(http://hyogom.com)内の「pile of photographys」にアップする試みを4年以上(現在も継続中)に渡って絶え間なく続けています。これは「進まねば失い、怠れば後退する、そういった性質の感性ともいえるものを手に入れたい」、「それは瞬間瞬間に、肉体と精神に訪れ過ぎ去っていくもの」、「私はこれを、例えば表現においても、先んずるものにしたいと考えています」とした麥生田の願いに基づくものであり、それはとりもなおさず「人間(=麥生田)の手によりつくられた感性」の存在を確認するための行為とも呼べるもので、ここでは「写真」はその照査(証左)としてただ存在しているといえます。
麥生田は主題「Artificial S」を現在のところ5つに別けており、本展覧会ではその2つ目に位置づけられている“Daemon”(ギリシャ神話におけるダイモン=神々と人間の間に介在する二次的な神)をテーマとして、「人の心におさまっている正体を定めないイメージを露にする」ものです。展示されるそれぞれの写真は、いずれも我々が日常で目にする風景の一部がただ「写った」ものであり、それ自体はおよそ「意味」を持つものではありません。しかし、鑑賞者は目の前に在る「写真」を「見る」うちに、そこに「勝手」に「意味のようなもの」を「見たり」「見なかったり」します。
鑑賞者に内在する茫漠としたイメージ(想像)が、目の前のイメージ(図像)を借りて、イメージ(想像や図像や意味)を成すこと。いわば偶像崇拝にも似たこのベクトルが、鑑賞者の目に前にある「世界を写した写真」によって引き起こされる時、私たちは確かにソレ(写真あるいは世界)に出会い、ソコ(写真あるいは世界)に何かを見つけます。ただソレだけのことです。20点あまりの写真がただ在る本展で、皆さんは何を見つけるでしょう。

[作家プロフィール]
麥生田 兵吾|Mugyuda Hyogo
http://hyogom.com
略歴
1976 大阪に生まれる
2010 「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2010」(3331千代田ARTS /秋葉原):「Zine port」の一員としてZineを出品
2011 「THE TOKYO ART BOOK FAIR 2011」(3331千代田ARTS /秋葉原):「Zine port」の一員としてZineを出品
2011 グループ展 「in the waitingroom」( waitingroom/恵比寿)
2013 グループ展 「溶ける魚 つづきの現実」(京都精華大学ギャラリーフロール/Gallery PARC /京都 )
2010年1月~現在:写真作品「 pile of photographys 」をweb上で更新中


全文提供:Gallery PARC
会期:2014年5月6日(火)~2014年5月18日(日)
時間:11:00 - 19:00
休日:月(金曜日20:00まで/最終日18:00まで)
会場:Gallery PARC
最終更新 2014年 5月 06日
 

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