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野村和弘:黒の拡大
展覧会
執筆: カロンズネット編集3   
公開日: 2014年 4月 28日

「0,5」表紙 「エアポート」(部分)1985年 玩具、ラインテープ

野村和弘作品集「Kazuhiro Nomura 1, 2, 3」(2012年既刊)以前の作品をまとめた「0.5」の出版に際し、TIME & STYLE MIDTOWNでは出版記念パーティーを開催することとなりました。それに関連し、同作家のドイツ時代初期の未発表作品によるドローイング展「黒の拡大」も同時に開催致します。 これまでもTIME & STYLE では氏の鬼気迫るような完成度の作品をご紹介して参りましたが、それらの作品の起点ともいえる肉筆のドローイングをご紹介できる数少ない機会です。 また、出版記念パーティーでは作家によるある試みが予定されております。ぜひご来場ください。

[作家コメント]
たとえば、すぐれたものは無意味であると言われることについて。何かがどうにかなった結果、無意味へと昇華してしまうこと(*1)と、どうせ無意味だとして、無意味に振る舞うこととは異なる。それらの違いは見逃せないし(*2)、後者はその実、無意味というわけではない。背景への依存。

*1、いくら欲しても、どんなに計画されたとしてもうまく運ぶとは限らない。またたとえ冗談のように戯れても、そうなる時にはイッてしまう。何か見えない、無意味へと導くあるフォルムー出来上がる一歩手前でもなきに等しい、を創り上げるということ(無意味への昇華こそは、奇跡的な出来事なのではないか?日本の80年代には、このようなmodern的求め方の残り香が含まれていたのかもしれない)。
*2、この質感の違いに反応できる目を持つということが、無意味への昇華を求めることの資格となるだろう(これが、postmodernによって傷つけられたものではなかったか?パンクと老人に席を譲るパンク、後者はより良い進化形なのか?)。
(「80年代よりの覚書」より抜粋)

[作家プロフィール]
野村和弘:1958年高知県生まれ。1988年東京芸術大学美術学部油画後期博士課程退学後、ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として渡独。1990年デュッセルドルフ美術アカデミーにて学位(Meisterschueler)取得。1993年帰国。
主な展覧会:2013年「LVRFI 3」カスヤの森現代美術館、神奈川+TIME & STYLE MIDTOWN、東京。2012年「現代絵画のいま」兵庫県立美術館、兵庫。2011年「simple things」名古屋市民ギャラリー矢田、愛知。2010年「野村和弘/東島毅 みることをかんがえる」いわき市立美術館、福島。「City Beats + Live Explosions」Bank ART studio NYK、神奈川。2008年「LVRFI 2」T&S GALLERY+TIME & STYLE HOME、東京。2007年「type J」void+、東京。「待降節」(New Art Scene in Iwaki)いわき市立美術館1Fロビー、福島。

野村和弘作品集「0.5」出版記念パーティー
2014年4月26日(土)18:00−20:00


全文提供:T&S GALLERY/TIME & STYLE MIDTOWN 
会期:2014年4月21日(月)~2014年5月25日(日)
時間:11:00 - 21:00
会場:T&S GALLERY/TIME & STYLE MIDTOWN 
最終更新 2014年 4月 21日
 

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