ギャラリーストレンガーでは、昨年2 月に弊ギャラリーで日本初個展を開催し好評を博したジルケ・シューナ展の第二回展覧会「White Space」をご案内いたします。ドイツのカッセル出身のジルケ・シューナはヨーロッパ、特に地元であるドイツを中心に活躍してきましたが、今年の5月には、昨年度に続きニューヨークのDillon Gallery での個展を開催し大成功をおさめ、近年ますます国際的に活動している作家です。本展ではヨーロッパの深い緑を描いた風景画を中心に新作約10 点をご紹介いたします。

大きな白いキャンバスに卓越した描写力で、風景・人物・建物を繊細に美しく描きます。見えるものすべてを描くのではなく、彼女の心の中でキャンバスに残るもの、残らないものを選別していきます。この白の空間は作家のスピリチュアルな聖域であると同時に私たち観る者にとっては心を開かないと見えない領域でもあります。

前回の展覧会では、「Sleeping Beauty」に代表される、徹底したリアリズム表現の追及による現実と非現実のはざまで漂うような不思議な世界観が特徴でした。しかし、徐々に自分の作品がシュールリアリズムに近づくにつれ、それは自分が望んだ方向性ではなく、違和感を覚え始めました。そこで、以前は整然と配置されていた現実の描写部分を、よりリアルに配置しました。この試みにより独自の絵画表現方法でも精神性を表せると信じ、新たな展開をみせ始めました。

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