1970年代、パンクミュージックをリードし一躍脚光を浴びたセックス・ピストルズ。その反抗的アクションや過激なファッションは若者たちから絶大な支持を受け、今なお彼らに影響されたミュージシャンやアーティストは少なくありません。この様に、音楽とアートは常に密接な関係を保ち、それぞれの時代の象徴を作り上げてきました。とりわけ、パンクやロックについては、アート、ファッション、ライフスタイルまでもが一大ムーブメントとなり、多くの若者たちを熱狂させたのです。

セックス・ピストルズのアルバム・デザインやポスターなどの全てのアート・ワークを手掛けたジェイミー・リードは、そのアナーキーなイメージをアイコン化し、強烈なメッセージ性とインパクトを生み出しました。そしてジェイミー・リードから多大な影響を受け、グラフィティ・アーティストとして活躍するシェパード・フェイリーもまた、レッド・ツェッペリンやビリー・アイドル等の数多くのアルバム・デザインを手掛け、パンク・ロック作品を数多く残しています。

本展では、ジェイミー・リードとシェパード・フェイリーの手掛けた作品を一同に集め展覧販売致します。彼らの生み出したアート・ワークは、単なる広告効果だけでなく、ミュージシャンたちそのものを映し出す鏡として、そして世界に向けて発信するためのツールとして重要な役割を果たし、後に彼らの楽曲と共に多くの人々の記憶の中で生き続けるのです。決して色褪せることのない、アート オブ パンク＆ロックの世界をお楽しみ下さい。

［作家プロフィール］
ジェイミー・リード / Jamie Reid

1947年、イギリス生まれ。アートスクールで、セックス・ピストルズをヒットに導いた人物と出会い、ピストルズのアート・ワークを手掛ける。エリザベス女王の唇に安全ピンをあしらった「God Save the Queen」は、パンク・ロック時代の象徴とも言われ、世代を超えて世界中のファンから愛され続けている。

シェパード・フェイリー / Shepard Fairey

1970年、アメリカ生まれ。「アンドレ・ザ・ジャイアント」をモチーフにしたステッカーを街中に貼るというパフォーマンスで有名に。数多くのミュージシャンのアート・ワークや、商品のプロダクト・デザインを数多く手掛ける。また、自主的に制作したオバマ氏のポスターは、大統領選挙期間中のオフィシャルポスターとして使用され全米で話題となった。