| EN |

牛嶋直子:ある・・・・・
Events
Written by In the document   
Published: December 18 2013
There are no translations available.

「みづうみ(13-02)」F10 パネル、樹脂膠、顔料 2013

しばしば恐怖と不安を想起させる闇は、時にはわずかな光と共に勇気や希望をもたらし、生きるという営みと命の尊さを感じ、心に明日への誓いをもたらしてくれる。牛嶋直子が描き出す闇は、そんなあたりまえに日常にある、誰しも心の奥に持ち続ける未来への幸福へ続く生命のエネルギーを描いているのかもしれない・・・。  画廊主

[作家コメント]
わたしにとって絵を描くことは、問題提起をしたり何かを声高に訴えたりするものではなく、世界の成り立ちについて学ぶための行為である。
振り返ってみると今までの人生、信じられないような厄災に見舞われたことも物質的な欠乏を感じたこともない。それが表層的なものであるかはともかく、わたしの周りにはおおむね善人がいて、まずまずの物があり、選択する自由もある。
そんな一見平和そうな今の世の中でも何かの折にふと、違和感や嫌悪感を感じる何かに触れてしまう瞬間がある。無意味に人を傷つける邪悪さは、実体こそないものの、意思をもって生活のすぐそばに潜んでいる。そう思えてならない。
変なものを感知してダメージを受けないように、自分のセンサーを切ってしまうのは有効だろうし、思考のシステムに頭を預けてしまうのも手かもしれない。
しかしそこには、感覚や勘を鈍らせてしまうという落とし穴がある。
何が条理かもわからない世の中をより良く生きるためには、足がかりが必要だ。
だからきっと人は何かを創造するのだと思う。ある人は文を書き、何かを育てる。またある人は、山に登ったり海に潜ったり、歌ったり踊ったりする。
わたしは絵を描く。
どこからともなく、わたしの元へ落ちてくる不可思議なイメージの断片は、ある次元ではその主題や構成において、苦しみや悩ましさも引き連れてくる。しかし別の次元では、それによって癒され生かされていることを感じる。
いやなものと面と向かって対峙しない、いうのは生き延びる上での自分なりのひそかな教訓であり、絵を構築する上でのキーでもある。単純なストーリーに回収されない、多焦点的な世界。
そんな世界を粛々と作っていけたらいいなと思う。

牛嶋直子

[作家プロフィール]
牛嶋直子 USHIJIMA Naoko

主な経歴
1979年 群馬県生ま
1997年  群馬県立前橋女子高校卒業
2004年 女子美術大学芸術学部絵画学科日本画専攻卒業
加藤成之記念賞受賞
2008年 女子美術大学大学院美術研究科日本画研究領域修了

主な個展
2003年 ART LABORATORY R3 群馬
2006年   銀座Galleryフォレスト 東京
2009年 「彼方の風景」画廊翠巒(前橋)
2010年 「silent story」ギャラリーアートもりもと(銀座)
「silent place」画廊翠巒(前橋)
2011年  「灯すもの 灯されるもの」画廊翠巒(前橋)
2012年  「under the sight」ギャラリーアートもりもと(銀座)
2013年  「森を泳ぐ」ガレリア・グラフィカ(銀座)

主な展覧会
2009年  女子美制作・研究奨励賞受賞
アートフェア東京2009(東京国際フォーラム)
2010年  アートフェア東京2010(東京国際フォーラム)
2012年  第五回東山魁夷記念 日経日本画大賞入選(上野の森美術館)
シェル美術賞2012 入選(国立新美術館・六本木)
2013年   香港コンテンポラリー13出品(香港)
ART TAIPEI 2013(台北)
アーツ前橋開館記念展「カゼイロノハナ 未来への対話」(前橋)


主な受賞
2005年 加藤成之記念賞受賞
2009年  女子美制作・研究奨励賞受賞
2012年   第五回東山魁夷記念日経日本画大賞入選、
シェル美術賞2012入選

全文提供:画廊翠巒


会期:2013年12月14日(月)~2013年12月22日(日)
時間:10:30 - 19:00
休日:火
会場:画廊翠巒

Last Updated on December 14 2013
 

| EN |