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市川裕司:新世代への視点2009
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2009年 8月 01日

≪amorphous≫2009年|方解末,ジェッソ,樹脂膠,アクリル板,典具帖紙,墨,鉄|4016×4016 mm (平面時) |画像提供:コバヤシ画廊 copyright(c) Yuji ICHIKAWA

今年で10回目になる「新世代への視点-画廊からの発言」は[東京現代美術画廊会議]参加画廊の共同開催による、若手作家の個展形式の展覧会です。

コバヤシ画廊では市川裕司の新作インスタレーションを展示予定です。岩絵具を中心とした白色顔料を、樹脂膠を用いてボックス状の透明アクリル板に描画し。その画面体を画廊空間へ立体的に展開した大型作品をインスタレーションします。複雑に反射・透過する対空・対壁表現画面が作り出す多彩なイリュージョンをご覧いただければ幸いです。

展覧会コメント 市川裕司
geneticとは、生となり得る事象が未だ形を胎蔵し、定められた時間と空間に対峙するために命の姿をイメージし続ける様である。制作は、流動的に増殖する描画が広大な現実を仮装し続け、機体と化した透明層が変則的に折り開かれた新しい空間を生む。形を規定しない私の画面は形態という拘束力に委託された絵画の可能性である

■市川裕司画歴
1979埼玉県生まれ/2005多摩美術大学大学院日本画領域修了

[個展]
2005 Gallery b. Tokyo東京/ウインドーギャラリーウエマツ画材店東京
2006・07・08コバヤシ画廊東京

[グループ展]
2005「第13回奨学生美術展」佐藤美術館、東京
2006 「real point」佐藤美術館、東京
2007「青黒い平面」しらみず美術、東京/「中之条ビエンナーレ」群馬
2008「第27回損保ジャパン美術財団選抜奨励展」損保ジャパン東郷青児美術館、東京

全文提供: コバヤシ画廊

最終更新 2009年 7月 27日
 

編集部ノート    執筆:小金沢智


市川が今回発表する≪amorphous≫(方解末・ジェッソ・樹脂膠・アクリル板・典具帖紙・墨・鉄、4016×4016mm[平面時]、2009年)は、透明のアクリル板を組み合わせ支持体にし、その両面を岩絵具で描き、アクリル内部にも和紙を貼り合わせるという重層的な作りをしている。スクエアの平面だが部分的に折り曲げることが可能で、展示の際は立体作品のように自立する構造になっていることも大きな特徴である(ただし今回の作品は一部ギャラリーの構造に重心を預けている)。筆の運びは水の動きを思わせる有機的なもので、限定されたかたちの中で蠢く生命の表象を見る思いがする。


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