釘宮由衣:Cat and Bird Paintings |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 4月 28日 |
《Crimson Cat Turquoise Bird》2011年 釘宮由衣(1981年 東京生まれ)は、2007年にイェール大学を卒業した後、ブルックリンを制作の拠点として精力的に活動を続けています。これまでアメリカ、メキシコ、ヨーロッパなど海外での発表が多かった釘宮にとって、日本で初めての個展開催となります。今回は「Cat and Bird Paintings」展のために制作したドローイング、版画、ペインティングを中心に、新作の短編アニメーションもあわせて発表いたします。 はじめから完成像がわかっていたら一度描いてしまえば終わりだけど、その先あるいはちがった結末の可能性はいつもある。 釘宮のペインティングには、「動」と「静」という相反する要素が共存しています。特に、アニメーションの手法を取り入れて描かれた小さなペインティングには、このような傾向が強く示されています。 その特徴は、油彩でありながら、「ストップモーション・アニメーション」を作るように、キャンバス上に1コマずつ積み重ねて描いていくというプロセスにあります。重ねて描くことで色彩や形が混ざり合い、具象と抽象の領域を行き来しながら、時に偶発性を含んだ混沌とした様相を深めていきます。ある完成像に向かって描くのではなく、手探りでイメージをつかんでいくような力強い筆の動きは、キャンバス上に絵具の塊やテクスチャーを残し、不思議な触感を生み出しています。 さらに、釘宮の自由自在なイマジネーションは、ペインティングが変化するプロセスをコマ撮りした映像から作られる独創的なアニメーションの世界に広がっていきます。 2010年11月から今年1月にかけてニューヨークのEverson Museum of Artで開催された個展が好評を博したばかりの釘宮由衣の最新作にぜひご期待下さい。 ※全文提供: タカ・イシイギャラリー 会期: 2011年5月14日(土)-2011年6月18日(土) |
最終更新 2011年 5月 14日 |