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Published: March 05 2013 |
福田遼子は明るい色彩と繊細な曲線を持ち味とする抽象画家です。表現しているのは「生まれる前に体験した胎内を漂う感覚や体液に浸る感覚」。羊水に守られた胎児、あるいはそれ以前の命の源へと戻ったときの安らぎを想像しながら、目に見えない世界の視覚化に挑んでいます。 福田は現実の何かの形を解体して抽象化するのではなく、S字の曲線や不規則なうねりを丹念に描き込むことによって抽象的な形をつくり出しています。20世紀を代表する抽象画家モンドリアンは水平、垂直の直交する線とむらのない色面で知られていますが、彼女は対照的に曲線を駆使し、明暗によって量感も表現しています。何十億年かけてさまざまな生きものの体を通り抜けてきたエネルギーの不思議さを思うとき、複雑で非合理的な「ファンタジー」ともいえる世界が自然と表われてきたようです。 今回目指しているのは、春にふさわしく何かが始まりそうな予感に満ちた展示。100号(162.1×130.3センチ)2枚分の油彩の大作を含め、油彩画と水彩画合わせて20点を出品します。写真は「祈りと底」(2012年、カンバスに油彩、91×72.7センチ)。 福田遼子(ふくた・りょうこ) 1987年徳島県生まれ、2011年鳴門教育大大学院美術コース修了。11年Gallery銀座フォレスト(東京)、GALLERY SUZUKI(京都市)で個展。12年橘画廊(大阪市)、Gallery銀座フォレストで個展。同年国展新人賞受賞。
全文提供:TACHIBANA GALLERY
会期:2013.3.4~2013.3.23 時間:12:00 - 19:00 (Sat)12:00 - 17:00 closed on Sunday 会場:TACHIBANA GALLERY
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Last Updated on March 04 2013 |