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石田智子:露地
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 4月 28日

画像提供:三菱地所アルティアム

お寺に嫁ぎ、家事や作務に追われる日常生活の中で石田智子が紙縒りを作るようになったのは、お供え物の包装紙がきっかけでした。物を包むだけでなく、包みを差し出す人の様々な思いを運んでくる包装紙に注目し、願い事の短冊を笹に結ぶように紙縒りを作り始めたのです。一つ一つに自分自身を刻み込むようにして作り続けた紙縒り・・・やがて石田はそれらを織るように組み合わせ、その時その場に応じた姿形の紙縒り作品を国内外で発表してきました。

石田智子「静静流転」(2007)石田智子「静静流転」(2007)本展ではギャラリー内で最新のインスタレーションを制作し、発表します。作品の性質上、展覧会が終われば作品は解体されてしまい、二度とその姿を見ることはできません。一つだけでは小さく脆い紙縒りですが、丹念に組み合わされて現れるその巨大なインスタレーションは、かつてないほど幻想的で優美な世界を示し、観るものに強烈な印象を与えるでしょう。福岡で作品が制作されるこの貴重な機会に、ぜひアルティアムへご来場下さい。
※タイトルの「露地」とは、命が身にまとってしまったものを脱ぎ捨てていくところを示す言葉です。

石田智子
1982年に京都精華大学美術学部染織科を卒業後、ファイバーアーティストとして活躍。
1991年、作家で僧侶の玄侑宗久氏(臨済宗妙心寺派福聚寺副住職)のお寺に嫁ぎ、限られた時間と空間を生かして紙縒(こより)による作品制作を始めた。紡がれた大量の紙縒を重ね合わせ、かつてない幻想的な世界を独自に切りひらいたインスタレーションは国内外で高く評価され、国際タピストリー・トリエンナーレ大賞・美術館賞(ポーランド、1998年)、リリアン・エリオット賞(アメリカ、1998年)、国際レース・ビエンナーレ・ファビオラ女王大賞(ベルギー、2000年)など数々の賞に輝いている。

※全文提供: 三菱地所アルティアム


会期: 2010年5月23日-2010年6月6日

最終更新 2010年 5月 23日
 

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