田中雅文:あつまり - 動憶 - to - National flags - |
展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2014年 2月 14日 |
2014年2月14日(金)から2月26日(水)までの12日間、gallery nearにて、田中雅文 展「あつまり - 動憶 - to - National flags -」を開催いたします。 田中は、大阪芸術大学陶芸コースを首席で卒業後、本格的に陶芸作家として活動をはじめ、様々な公募展にて入賞を果たすなど、着実に実績を 重ねてまいりました。大手百貨店や陶芸サロン、美術館での個展、グループ展に加え、国内外の各地で開催されるビエンナーレやアートフェアにも 数多く出展するなど、昨今、特に勢いづく若手陶芸界において注目が集まる陶芸家の一人であります。 幼少の頃より、身近に陶芸に触れる環境があった為、自然と陶芸の道に進むようになったという田中は、主に磁土を使用し、「鋳込み」という技法で 制作しております。鋳込みとは、石膏の型を作り、そこに泥漿(でいしょう)と呼ばれる液体の粘土を流し込み、成形します。その後、釉薬をかけ、焼成 することで完成する技法であります。作陶の魅力の1つに「轆轤」や「手びねり」といった、誰もが思い浮かべる技法がありますが、田中は、精緻で繊細な 表現を生むこの「鋳込み」の技法を用い、非常にデザイン的かつ、美しい磁器作品を生み出します。量産のイメージが付きやすいこの技法において、 型そのものにおけるデザインの限界、手仕事の延長として型の制作を捉えることで、「鋳込み」の技法を極限まで追求し、独自の表現を高め続けて おります。 田中の作品の特徴は何と言っても、その洗練されたデザイン、繊細な美しさにあります。大学在学中から、一人一人が集まることで生まれる大きな エネルギーに魅力を感じ、制作テーマを「あつまり」としてきた田中は、その原点とも言える作品「集まりが成す形」(2004)を制作し、ピースが集まって 完成する作品として初めて表現しました。その後、大学の卒業制作において「連結格子紋盤」(2004)を制作、この作品は学長賞を受賞するなど、 田中の類い稀なる感性と実力は大いに評価され、卒業後作家活動を本格化させます。この頃より「集まってひとつの形をつくるもの」を突き詰めた 結果、現在に繋がる「ブロック」の作品の代表作「動憶「douoku」」シリーズが生まれます。綺麗な四角のブロックパーツが組み合わさり、高さ1.3× 幅1.2×奥行1.1mという圧倒的なまでの存在感を放つ大作、「動憶」(2011)では、その独特なうねりは大海原の波や、地殻変動によって生まれた 大地の隆起といった大自然のうねりをも連想させ、そのスケールの大きさ、窯の中で起こる自然を要した化学反応の妙に、感動を覚えるほどです。 幾何学的な模様や、ブロックのきちっと整頓されたデザインが数多く組み合わさることで得られる視覚的な美しさに加え、田中が持つ大胆さ、細部に までこだわりを見せる繊細さを兼ね備えることで、陶芸界でも突出したデザイン性を見せる作品が表出されるのであります。 本展は「あつまり - 動憶 - to - National flags -」と題され、2006年より制作されてきたブロックをモチーフとしたシリーズの変遷が展示されます。 「動憶」シリーズに始まり、よりブロックが持つ楽しさや遊び心を心地よく刺激する感覚を純粋に表現することを目指し、ポップな魅力が存分に 発揮された「Toy Blocks」シリーズ、自身のテーマである「あつまり」というところから「国」という単位を連想し、ブロックパーツの数の比率を国旗の 色の比率と合わせ、立体として再構成している、現段階での最新シリーズ「National flags」シリーズなど、ブロックのシリーズにおける変化の過程を 一度にご覧いただける機会となります。また、gallery “ S ”では、煎茶椀や宝瓶、カップ、お皿といった日常使いできる磁器の数々を展示販売 いたします。オブジェ作品だけでなく、これらのクラフト作品にも美しいデザイン、フォルムは発揮され、更に、日常使いする中で重要とされる機能性は 充分に計算された上で、無機質な印象を持たせつつも随所に色鮮やかなカラーリングを施すことで、にわかにコレクション心をくすぐるプロダクト 展開を見せております。
[作家コメント] 制作においては、「あつまり」をテーマに自らの表現を 模索しています。また、技法に関しては主に鋳込み型を 使用し、 その型を手仕事の延長上に置くことで、量産の 手段だけではない型の可能性を追求しています。
全文提供:cafe dining near ∽ gallery near
会期:2014年2月14日(金)~2014年2月26日(水) 時間:12:00 - 22:00(最終日 - 17:00) 休日:木 会場:cafe dining near ∽ gallery near
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最終更新 2014年 2月 14日 |