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絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 1月 22日

加藤泉 ≪無題≫ 2008 油彩、カンバス 162.0×130.3cm 個人蔵 courtesy of ARATANIURANO

1990 年代以降、現代美術の世界では映像や写真、インスタレーションなどの作品が展示される機会が飛躍的に増える一方で、具象的な絵画が国内外を問わず熱い注目を集めてきました。もちろん具象的な絵画は、時代を超えた普遍性を持っています。しかし、90 年代半ばから台頭し、ゼロ年代を経てもなお衰えを見せない日本の具象的な絵画の隆盛には、かつてない地殻変動が感じられると同時に、欧米の美術史の文脈のみに縛られない解放感に溢れています。 本展の出品者の多くは、新しさを一義的に追求することなく、目に見える世界を素朴に再現するものでもなく、個人的で日常的な視点から、描くことそれ自体を肯定し、時代の閉塞感さえも軽やかにあるいはアイロニカルに捉える自在さを具えています。また、完成作としてのタブローを死守するのではなく、ドローイングの瑞々しい表現を積極的に駆使し、挿絵や絵本、マンガなどこれまで周縁的なものとして排除してきた大衆文化の養分をも吸収した、斬新な作品群となっています。 軽妙な人間像や図像が目に焼き付くO JUN、独特の光に包まれた風景や人間像を描く小林孝亘、それに鋭いまなざしの少女像で知られる奈良美智ら先行世代から、1980 年代生まれの後藤靖香、坂本夏子、厚地朋子といった新進の画家まで、さらに近年線描による絵画で新境地を開いている草間彌生を加え、幅広い世代にわたる28 名の近作、新作約200 点を当館の全展示室を使って紹介します。

出品作家 (28名)
会田誠、青木陵子、秋吉風人、厚地朋子、池田光弘、岩永忠すけ、O JUN、小沢さかえ、加藤泉、加藤美佳、草間彌生、栗田咲子、後藤靖香、小林孝亘、坂本夏子、杉戸洋、タカノ綾、中山玲佳、奈良美智、長谷川繁、花澤武夫、はまぐちさくらこ、法貴信也、牧嶋武史、正木隆、町田久美、村瀬恭子、森千裕

※全文提供: 国立国際美術館

最終更新 2009年 1月 16日
 

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