隅本大心 個展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2012年 5月 17日 |
現在アムステルダムのレジデンスプログラムで制作活動を続けている隅本大心の 弊廊での初個展を開催いたします。隅本はアーティストランのスペース「Art Trace Gallery」で個展を開催したあと、オランダに渡り、現在まで当地で作家 活動を展開している作家です。 隅本は、初期には物語を暗示する「家のある風景」を描いていましたが、やがて 身の回りの日常的な対象が自分の内面にイメージとして投影されるものを直裁に 表現することに傾きはじめます。直裁とは、内面に投影されたイメージの特性 (色、形、線、意味)をできるだけ感傷や情緒を排除して、そのまま表現しよう とすることですが、このあたりの事情を隅本は次のように語っています。 「今、キャンバスの仕事で持続的に考えていることは、できるだけシンプルに、 かつ深く、ということです。特定 のテーマというのは持っていません。モチーフはその時々で見つけてきたものを描きます。モチーフが持つ意味や歴史性などよ りは、その表層、表面のディティール、色、形に興味があります。シンプルに描 くというのは、僕の 場合、何かを省略したり簡略化したりするというのではなく モチーフの色や形に寄り添いながらも、できるだけ すばやく、少ないタッチで描 きたいと思っているからです...」 もちろん対象を(人間が)描くという点で、対象そのものをつかむことはおよそ 不可能な企てですが、恐らく隅本の狙いは、だったら自分に投影された対象のイ メージをできるだけ素直に骨太に表現して、それがどれだけ対象と人間のかかわりを暗示できるかやってみようというところにあるのです。 現今の絵画の流れからみると、隅本の作品はある意味で古典的な具象絵画といえ るでしょうが、しかしそのストイックな姿勢から生み出される作品は力強く、絵画のもつ力を改めて感じさせられます。一時帰国しての初個展となりますが、どうかご期待ください。 [作家プロフィール] オープニングパーティ 5月29日 17:00~20:00 全文提供:unseal contemporary 会期:2012年5月29日(火)~2012年6月16日(土) |
最終更新 2012年 5月 29日 |