unseal contemporary は2010年5月に韓国の若手作家、Kwon Kyung Yupの個展を開催いたします。
作品制作では、まず写真が撮影され、その後、写真をベースにしたスケッチがあり、最後に油彩で描かれるというプロセスが採用されています。 写真の持つリアリティと虚構性の上に、作家の想像力が重ねられ、その結果、独特のリアリティを生み出すこの手法は現在では内外を問わずさほど珍しいわけではありません。 同じ手法を採用する作家たちの間でKwon Kyung Yupが際立っているのは、やはり一貫して作品に「白い包帯」という象徴的な装置を配置して、シンプルでありながらインパクトある肖像画を描いていることにあります。 包帯の間隙に描かれる少年や少女たちの無垢な眼、あるいは全身を包帯で巻かれたフラジャイルな身体は、過去に体験した、そして今でも時折フラッシュバックしてくるに違いないトラウマとの格闘を無言で訴えてきます。そして「白い包帯」はそんな彼らの言葉にならない苦闘を浄化し、癒す不可欠な装置のように見えます。 ただし、包帯の「白色」は時に自己消滅(無)という形での「癒し」をも象徴するものであり、Kwonの作品にはどこかに不穏な気配が漂っていることもその特色です。その意味で作品にはフロイトのいうエロス(生)とタナトス(死)の両者が描き出されていると言っていいかも知れません。 またこの作家が、日本発のマンガやアニメの平面的表現を十分に咀嚼し、我がものにしていることも明らかで、作家がめざすリアリティとマンガ的手法の交錯も見逃せません。
昨年12月にソウルのGana Art Centerで開催された個展に続く本展では新作7点を展示予定です。どうぞご期待ください。
Kwon Kyung Yup [Solo exhibition] 2010 “Last Letter” unseal contemporary, Tokyo (upcoming) 2009 “Space of Memory” Gana Art Gallery, Seoul 2008 Art Seoul 2008, Seoul Arts Center, Seoul
[Group exhibition & Art fair] 2010 Sun gallery 33th Anniversary Exhibition Sun gallery, Seoul 2009 Korea International Art Fair COEX, Seoul, Hong Kong International Art Fair Hong Kong Convention Center, Hong Kong, Asian auction week in Hong Kong Conrad Hong Kong, Hong Kong, HaHa Museum Geumsan Gallery, Paju 2008 Times Gallery Opening Show Times Art Gallery, Taipei, Seoul Auction Hong Kong Sale Grand Hyatt Hong Kong, HongKong, The 9th 'Cutting Edge' Seoul Auction Center, Seoul, Korea International Art Fair COEX, Seoul, Meet with passion Gallery i-sang, Seoul, the BRIDGE In-Sa Arts Center, Seoul, Blue Dot ASIA Seoul Arts Center, Seoul, MicroART 69-Heart In-Sa Arts Center, Seoul, Next Art 2008 Insa Art Plaza, Seoul 2007 Team preview “Art Show” Gallery Indeco, Seoul, Team preview 7th Alternative Space Team preview, Seoul
※全文提供: unseal contemporary
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