First Passage |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 12月 11日 |
今年5月から7月にかけて国立新美術館(東京)にて大規模な個展を開催し、飽くなき探求心で制作活動を続ける野村仁と、彼が20余年にわたって教鞭をとってきた京都市立芸術大学で、「共に学び、共につくり、共に感じる」経験を野村と共有した16名の作家たち(同大学大学院彫刻専攻・野村研究室修了生)が一堂に会します。気鋭の"先進作家"="ハイパーアーティスト"たちによる作品が互いに引き起こす化学反応から、私たちは何を見出すことになるのでしょうか。どうぞご期待下さい。 野村 仁(のむら・ひとし/1945~)は、今年5月から7月にかけて大規模な個展「変化する相-時・場・身体」を開催(国立新美術館/東京)。1960年代末から現在に至るまでの代表作を集成し、地上の現象から空、宇宙、太古、DNAへと、制作活動の中で野村がその眼差しを奥深い相へとひろげていく軌跡が改めて浮かび上がり、回顧だけに留まらず、今後の動向と展開にも期待が高まる展覧会となった。その個展会場での最もおわり、<未来の相> に展示された作品の中には 「HAAS Project」(ソーラーカーによるアメリカ大陸横断の旅) があった。1993年京都市立芸術大学の学生・OBによりSPL(ソーラー・パワー・ラボ)を結成して以後、野村は「共につくり、共に感じる」をモットーにソーラーカーの制作をスタートさせた。レース出場(*)の経験と改良を重ねて97年国内では優勝。そして、大陸横断のために共につくりあげた《サンストラクチャーʼ99》(1998-99)との長い旅、太陽エネルギーを実践のエネルギーへと変換し続ける、いわば無限大の可能性を野村はメンバーと共に実感として獲得していったのである。1988年より同大学にて教鞭をとりながら、新たな表現とその領域を拡張させてきた野村は、今年度をもって退任する。“物体の変化の様相”を記録した写真や映像、目に見えない“自然や宇宙のリズム”を音や彫刻作品へと置き換え、また科学技術とのコラボレーションの試みなど、マルチメディア・アーティストの先駆けとも称される野村は、これからも新しい価値の創造を探求し続ける。本展 「First Passage」は、野村が 「共に学び、共につくり、共に感じる」 経験を共有した16名の作家(同大学大学院彫刻専攻・野村研究室の修了生)有志とのグループ展である。独自の美術表現を満身で切り開いていく気鋭なる“先進作家”たちはここに集い、野村と共に一体どのような姿を現してくれるのだろうか !? どうぞご高覧ください。 *ソーラーカーのクラス別レース。SPLの出場および優勝は800ワットクラス。 出展作家: 野村 仁、西松鉱二、カワイオカムラ、國府 理、長谷圭城、山宮 隆、石山 唯、名和晃平、山田康貴、前田吉彦、岡田一郎、待場崇生、小栢健太、 岡本高幸、SHINCHIKA、内山泰義、奥村太郎 アーティスト・トーク[17名の出展作家によるリレートーク] : 12月19日[土] 14:00 ~15:30 (レセプション 15:30~17:00) ※全文提供: アートコートギャラリー |
最終更新 2009年 12月 15日 |