澤田摩耶:ゆびから かんじた |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集3 |
公開日: 2012年 7月 03日 |
昨年(2011年)、想像上の生き物を描いた絵画でデビューした澤田摩耶が、今回の個展では人間の手をモチーフにした油彩の新作約10点を出品します。従来と同じく、絵の具を塗ったカンバス同士をはり合わせて偶然できた模様を活かすデカルコマニー(転写画)の技法を取り入れ、あらかじめ用意した手のスケッチと無意識の世界の折り合いをつけながら制作した作品です。 例えば、写真を掲げた「たこ から」(2012年、油彩、アクリル、カンバス、80.3×100センチ)では、人間の手(一部足も)がぎっしりと集まった様子を描いています。しかし画面の中心から離れると輪郭は定かではなく、独立した手のイメージはほとんど残っていません。イメージよりも、湧いてきた有機体が増殖している雰囲気に重点を置いた表現です。もともと、勤務先の仕事で指を傷め悩んでいたとき、同じ職場の人に気遣われて感じたぬくもりが発想の手がかりでした。澤田が描く複雑な有機体のような手には、人間の温かさが託されています。 [作家プロフィール] 全文提供:橘画廊 会期:2012年7月2日(月)~2012年7月14日(火) |
最終更新 2012年 7月 02日 |