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山本聖子:画廊からの発言―新世代への視点2010
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2010年 7月 26日

《the empty view》2009年|物件広告、ラミネート、アクリル
画像提供:コバヤシ画廊|Copyright © Seiko Yamamoto

銀座の11画廊が集まり若手作家を企画する「新世代への視点」展。その11回目となる今回は「山本聖子展」を開催いたします。

本展覧会は新聞の広告の物件間取図を使ったインスタレーションです。 線をくり貫いてカットし縦横に繋げて、画廊内部に展開していきます。線と映し出された影が、間取りとは別の風景を映し出します。

日常が便利で、快適で、何不自由無い生活へと突き進むその一方、かおのみえない活字だけの会話や実体不明な食物が、身体を喪失させ、存在を曖昧にする。作品の素材となる住宅物件の間取図は本来、個人や家族が過去/未来に暮らす場所の「単位」ですが、線に沿って切り抜かれ、無数に繋げられていくと、間取りとしての情報は失い、薄く均質化したけむりのように実体の無い風景へと変貌する。 その空虚な場所の風景が、日常の不明瞭さとシンクロします。

作家コメント
三次元空間を想定した物件の間取り図は、情報と共に二次元へと圧縮されている。

それを切り抜き情報をも削ぎ落とす行為は、影を生み、光を知らせ、そこに満ちる何ものかの存在を証明する。

日本固有の文化には、実体を明らかにすることではなく、気配を感じ、察することが求められる。

在るのは、うつわ状の空白である。

 

山本聖子
1981京都府生まれ
2004大阪芸術大学芸術学部美術学科立体コース立体造形ゼミ卒業
2006京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現専攻修了

個展
2006ギャラリー16、京都
2009コバヤシ画廊、東京
2010「画廊からの発言・新世代への視点2010」コバヤシ画廊、東京

主要グループ展
2005「P&E展」アートコートギャラリー、大阪
2006「京都造形芸術大学卒業制作展」京都市美術館、京都
「P&E展」アートコートギャラリー、大阪
2007「Exhibition展」ギャラリーRAKU、京都
2009「Polyphonic.」KCPFギャラリー、ソウル
「MESSAGE2009」コバヤシ画廊,東京

※全文提供: コバヤシ画廊


会期: 2010年7月26日(月)-2010年8月7日(土)

最終更新 2010年 7月 26日
 

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