Thonik Exhibition:en |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 11月 24日 |
デザインユニットDroog Design(ドローグデザイン)や建築家MVRDVなど、現在、オランダのクリエイティビティは世界から 注目を集めています。そのデザインは、自由で挑発的、そしてユーモア溢れる批判精神が特徴です。 今回ご紹介する Thonik(トーニック)は、オランダ国内はもとより、世界からも注目を集める気鋭のデザインスタジオです。ある一定の ルールに従ったモジュールのようなグラフィックによるロゴやCIのデザイン、そしてグラフィックのルールをベースに ユニークかつ斬新なアイディアで、本国オランダの社会党(SP)に代表されるような、プロジェクト全体を包括する 立体的なコミュニケーションデザインを得意としています。彼らは2008年5月、上海美術館にてアジアで初めての 個展を開催、そして同年9月にはヴェネチア建築ビエンナーレのヴィジュアル・コミュニケーションを手掛けました。 日本で初めての個展となる本展では、スパイラル1Fのギャラリースペース、カフェスペースの両方を合わせた、 空間全体を変容させるダイナミックなインスタレーションを展示します。また、彼らが東京のカルチャーで特にインス ピレーションを受けたという「食」にフォーカスした仕掛けも展開。過去に制作されたグラフィックのアーカイブや、CMや ウェブサイトなどの媒体を横断したコミュニケーションで、ひとりひとりへメッセージを発信する“viral movie”など、 コミュニケーションデザインのアーカイブもご紹介します。 展覧会タイトルにある“en”は、オランダ語で“~と(and)”の意味。日本語の「縁」という言葉から発想を得たものです。 デザインを通じてダイレクトなコミュニケーションを仕掛けるThonikの世界を体感してください。 Thonik(トーニック) プロフィール ※全文提供: スパイラル |
最終更新 2009年 12月 15日 |
オランダのデザインスタジオ、Thonikによる日本初個展。ポスターやチラシによって彼らの仕事が大々的に紹介されているが、いつものカフェスペースに3×4メートルの巨大な絨毯で制作されたグラフィックデザインが大胆に展示されていることにも注目したい。カフェはアトリウムに移動している。Thonikは来年二十五周年を迎えるスパイラルのアニバーサリー・デザインも手がけている。 瞠目したのはThonikが二〇〇六年から手がけているユトレヒト中央博物館のヴィジュアル・アイデンティティーだ。これほどグラフィカルで、大胆で、一貫したヴィジュアルの広報物を日本の美術館に求めることができるだろうか?美術館のイメージ形成に広報物が大きな役割を負っているのは言うまでもない。展覧会毎にコンペや入札を行なうのではなく、このヴィジュアルと言えばこの美術館、というような一貫性を公共の施設にこそ求めたいものである。ホームページ(http://thonikbyyou.com/)でも仕事の一部を見ることができるのでチェックして欲しい。