濱田弘明 写真展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 10月 18日 |
濱田弘明は、写真製版を元にしたシルクスクリーン版画を主に制作発表しております。室内にある花等の生物をはじめ、風景等を写真撮影し、その画像を元に数種類の版を起し、一枚の紙にそれぞれを刷り重ねるという技法です。 版画と言えば、一般的に同じ物を一度に何枚も制作出来るという特徴があります。逆に言えば、全く同じ物をエディションの数だけ制作しないといけないとも言えます。少しの濃淡の違い、カスレや気泡等から発生する抜け等、様々な繊細なコンディションに細心の注意を払わなければならないという技術的な難点がございます。ただアーティストとして一番重要な事は、イメージの完成度だと思います。彼の場合は言うまでもなく、自身が撮影する写真画像が制作上最も重要な鍵でもあるのです。 今回の出品作品は、主に約20年前に旅先で撮影されたものです。これらは、版画制作の為に撮られたものでは無く、現像から紙焼きまで全て自身の手で行い、トリミングをしていない純然たる写真作品と言えます。珍しいものでは、レンズを使わず撮影されたピンホール写真も含まれております。 画像を重ねてイメージを完成させるという版画とは違い、一枚限りで表現せざるを得ない、またトリミングも無しという、写真家にとっては当たり前の条件の作品です。ただ、それらの写真を見ておりますと不思議なことに、まるでアーティストが思考し、絵を描いたような印象を受けるのです。 今回は、会期中にアーティストトークを催します。作家の普段の版画活動とはまたひと味違う、初めてとなる写真の作品展に寄せる意図や思いなどが聞ける貴重な1時間になることでしょう。どうぞご是非御参加頂きますよう、よろしくお願いします。 ※全文提供: コウイチ・ファインアーツ 会期: 2011年11月5日(土)-2011年11月22日(火) |
最終更新 2011年 11月 05日 |