中沢研 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 5月 21日 |
中沢研は1970年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。主な展覧会に「MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」('99年、東京都現代美術館)、「横浜トリエンナーレ2001」('01年、パシフィコ横浜)などがあります。 中沢は、展示する場所の特徴をとらえ、針金やテグスなど細く繊細な素材を用いて空間を構成するインスタレーション作家として高い評価を得ています。1992年から一貫してインスタレーションによって空間の質やニュアンスの表現を追求してきましたが、昨年7月アンドーギャラリーにて開催された個展では、150号のキャンバスに油彩で描かれた絵画を発表しました。絵画という表現でありながらも空間の存在を強く感じさせ、まさにインスタレーションと同じ「質」を描き出しました。 本展では、白く塗られた直径4ミリの鉄の棒を用いた新作インスタレーションを展示いたします。 あらゆるかたちを選別し、組み替え、抽象化された曖昧なかたちを空間に置くことによってつくられる新しいイメージと意味。絵画に取り組んだ後の中沢のインスタレーションをどうぞご高覧ください。 ※全文提供: アンドーギャラリー 会期: 2009年6月9日-2009年8月29日 |
最終更新 2009年 6月 09日 |
会場に作り上げられているのは白く塗られた鉄の棒によるインスタレーションである。ほとんど等間隔に配置されている棒はまるでキャンバスに引かれた線のようであり、静謐で、よりいっそうその空間自体を鑑賞者に意識させる。中沢はインスタレーションの作家として知られるが昨年の個展では絵画作品を発表しており、それらはインスタレーションと同じく空間への強い意識に貫かれている。今回の個展で絵画は展示されていないため、未見の場合はギャラリー発行のカタログを参照することをお勧めしたい。